インピーダンス Z 〔Ω〕を測定すれば、何でもかんでもわかるわけではない。しかしながら測定されたインピーダンスから様々な情報が得られることも事実である。さらにインピーダンス以外の情報と組み合わせることで、さらに電池の理解が深まることもある。ここでは、測定されたインピーダンスからどのような情報が得られ、どの情報と組み合わせることによって、そのようにその情報が活用できるかについて議論する。
インピーダンスは周波数の関数である。
電池は非線形デバイスである。電圧と電流は比例しないし、電圧と電気量も比例しない。そこにきてインピーダンスを測る理由はなんだろうか?電池の劣化は内部抵抗 R 〔Ω〕の増加と言っていい。劣化の原因は数多くあれど、最終的に電池はその内部抵抗によって電流が取り出せなくなる。したがって電池の診断は内部抵抗の測定である。
大雑把に言って、内部抵抗 R 〔Ω〕は界面抵抗 R 〔Ω·m²〕と溶液抵抗 R 〔Ω〕の和だ。反応抵抗 R 〔Ω·m²〕と_がある。溶液抵抗 R 〔Ω〕は、抵抗率とセル定数で決まる。抵抗率は導電率の逆数だ。導電率は、概ね電解質濃度と移動度を掛けたものだ。電解質濃度は放電に伴い、リチウムイオンが枯渇して小さくなる。移動度は溶媒が粘性を増して小さくなる。接触抵抗は、活物質の膨張収縮に伴い、接触が緩み、接触面積が小さくなって大きくなる。こうして電池は内部抵抗が大きくなり寿命を迎える。
- (1) 立花和宏, 仁科辰夫.
電気化学特論:電池の評価法~交流インピーダンス法
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=4046. (参照2012-12-07).