⇒#226@講義;
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000.
磁性の原因
無機固体化学
では、
「
磁性と磁性体
」
の中で、
「磁性の原因」について
述べられています
⇒#226@講義;。
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初版
①反磁性:電子の軌道運動の電磁誘導(この原因についてはさほど重要ではない。物理を履修してこなかった人は理解できなくても構わない)。核のまわりの電子の周回運動によって磁場ができている。外から磁場が加わると、「その磁場を打ち消す磁場ができるように」電子の周回運動が変化する。
→すべての物質には反磁性がある。しかし、反磁性は常磁性や強磁性よりも弱いので、常磁性または強磁性があるとそちらの性質が強く現われる。
②常磁性と強磁性:不対電子のスピン
・電子はそれ自身が「磁石」である(最も小さい磁石)。電子には+1/2または-1/2のスピン量子数(上向きと下向きのスピンなどとも表現されてきた)が割り当てられている。1本の軌道にはスピン量子数の符号が異なる2個の電子が入るが、そのようになるとスピン(量子数)がキャンセルされて磁石の性質を失う(例えば水素分子は反磁性)。
・従って、不対電子をもつ物質はスピンが完全にはキャンセルされないので、必ず常磁性または強磁性を示す。(不対電子をもつ物質の例:ラジカル、遷移元素を含む化合物)
例題1:Fe3+イオンおよびNi2+イオンの電子配置を答よ。それぞれのイオン1個あたり何個の不対電子を持っているかを答えよ。
<磁気モーメントについて>
磁石を表現する場合は、「極の向き」と「磁石の強さ」の両方を示さなくてはならない。すなわちベクトルで表わす必要がある。磁石の強さと向きを表すベクトルを「磁気モーメント」という。
1個の不対電子は1個の磁石とみなすことができるが、不対電子1個の磁気モーメントはほぼ1μB(ボ
ーアマグネトン)である。(1μB = 1.17×10-29Wb・m)
②-1 常磁性体
「磁気モーメントをもつ原子(すなわち不対電子を持つ原子)が互いに離れて存在する」物質。
・外部磁場がないとき:個々の原子の磁気モーメントはランダムな方向を向いており、物質全体で平
均すると磁気モーメントはゼロ(すなわち磁石ではない)。…次ページ上図左
・外部磁場があるとき:個々の原子の磁気モーメントは、あたかも方位磁石が地磁気の方向を指すよ
うに外部磁場の方向に揃う。物質全体で平均すると磁気モーメントが現われ、しかもそれは外部
磁場に引き寄せられる方向を向く。…次ページ上図右
☆ 磁気モーメントが一方向に揃うことを「磁化される」という。
外部磁場なし。 外部磁場あり
全体の磁気モーメントはゼロ
☆ 常磁性体は左右の状態の変化が可逆である。
②-2 強磁性体
「磁気モーメントをもつ原子(すなわち不対電子を持つ原子)が他の原子0個または1個へだてて隣
り合っている」物質。
☆ 磁気モーメントをもつ原子が互いに近くに存在すると、「互いの磁気モーメントの向きを平行また
は反平行に揃えよう」とする作用が働く。1)交換相互作用
・平行に揃っているとき:外部磁場がなくても
はじめから磁化されている(自発磁化、左)。
・反平行に揃っているとき:磁気モーメントの
総和がゼロでなければ、自発磁化をもつ(右)。
(反平行でなおかつ磁気モーメントの総和がゼロ
の場合、反強磁性という。詳細は略)
☆ 強磁性体ははじめから自分自身が磁石になっている(自発磁化)。
☆ 強磁性体と常磁性体の本質的な違いは、自発磁化があるかないか(交換相互作用の有無)である。
<h3 >
<a id='yznl226' href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=226'>
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<a href=''>
磁性の原因
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<!-- 講義ノート 講義ノート 講義ノート -->
<li>
<article>
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<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=226'>
<q><cite>
磁性の原因
</q></cite>
</a>.
山形大学,
<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Syllabus.asp?nSyllabusID=11058'>
無機固体化学
<a/a>
講義ノート, 2005.
<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=226'>
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=226
</a>
,
(参照 <time datetime="2024-4-20">2024-4-20</time>).
</article>
</li>
</article>
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