無機工業化学

高峰譲吉について調べてみよう

工学と自然科学(理学)の学問の違いのひとつに、人とのかかわり方が挙げられます。 自然科学が、自然の姿を理解するのに対して、 工学は、人の生活に潤いを与えるためのものだからです。 ひとつの発明が、産業となり、人の生活の一端を担うようになるまで、多くの先人たちの努力がつぎ込まれます。

アルミニウムもまたそうでした。 多くの先人たちの中に、「サムライ化学者」と呼ばれた高峰譲吉がいました。

高峰譲吉について調べてみましょう。 彼の業績からひとつ選びましょう。それが、現在どのように活かされているも調べてみましょう。 またバイオ化学で万人を救おうとした彼が、発電所の建設やアルミニウムの製造を提案した姿勢について議論してみましょう。


例)

高峰譲吉は、「医学が救うのは一人ひとりの患者ですが、化学は万人を救います」と言って、医者から化学者の道に志を変えた。 サムライ化学者と言われ、ジアスターゼやアドレナリンなど、バイオ化学の業績を残した。


https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/sciencechannel/c010501043/"
http://www.npo-takamine.org/works/05.html
https://www.youtube.com/watch?v=jtHYc9zoNjQ

高峰譲吉の業績として「タカジアスターゼ」を選んだ。

タカジアスターゼは、明治の文豪、夏目漱石の「吾輩は猫である」にも登場する。 それ以来、現在いたるまで胃腸薬として親しまれてきた。 しかし、2021年3月軒並み販売中止となった。 承認規格が外れたことによるリコールのためなのか 、販売数量僅少のためなのか 、その本当の理由はわからなかった。

https://www.nichiiko.co.jp/medicine/important/data/20200916cl2.pdf https://www.yoshida-pharm.jp/files/information/315.pdf

高峰譲吉は、発電所の建設やアルミニウムの製造を提案しているが、 そこには、学問をしまい込むだけでなく、人の役に立てるという姿勢が根幹にあり、 また、自分の専門の殻に閉じこもるだけでなく、視野を広げて学んでいく姿勢があったからと思われる。

先見の明がある高峰博士は、生まれ故郷である高岡に次のような提案もしています。 「急流河川の多い富山県は、電源開発に最適の地である。発電所をつくって、この電気を高岡や伏木方面に送って、アルミニウムの製造を行ったらどうだろうか。そうすれば、伝統的な鋳物(青銅やアルミニウムなど金属を溶かし、鋳型に流し込んでつくった器物)の技術も生きるはずである。」(1918年(大正7)5月、『高岡新報』より要約) 彼の提案は、その後生かされ、高岡市はわが国のアルミニウム産業の一大中心地となりました

https://www.city.takaoka.toyama.jp/ksomu/takamine/igyou.html
  1 黒部第4発電所
© 2009 K.Tachibana , C1 Lab.

1 ) 2 )


アルミニウムの電解槽を簡単なパース図面にしてみよう

図面には、さまざまな図法があります。 図は、絵と違って、図法に従って描きます。図法の知識を持てば、誰でも書けます。 たとえば、現代の電気化学の図5.8 3 ) は、第三角法の正面図です。

下の写真を参考に、現代の電気化学の図5.8を、三点透視図法で書いてみましょう。 CADを使って三点透視図を生成することもできますが、紙に、フリーハンドでささっと透視図が描けると、 エンジニアとしてのコミニュケーションがスムーズになります。

  2 アルミニウム溶融電解セル( モノポーラ
© 2009 K.Tachibana

この「アルミニウム電解槽」は、昭和電工(株)大町工場に設置され 4 ) 、 昭和9年(1934年)1月11日、国産初の「アルミニウム」を生産したわが国最初の 「電解槽」 を、 当時のままに実物大に再生したものです。 大町市は、この 「電解槽」 から生産された国産アルミニウムにより、「アルミニウム発祥の地」の栄誉を、永遠に記録されることとなりました。

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日本軽金属は2014/3/14日、アルミニウム製錬事業から撤退すると発表した。 7 ) 8 )

  3 三点透視図法(斜透視図法、パース)の例
© 2023 K.Tachibana

ワークショップについて

ワークショップを楽しみましょう 10 ) 。 グループ人数は、5〜6名とします。 7名を超えないようにしてください。

初対面の場合は、自己紹介をしましょう。 雑談をして、アイスブレイクしましょう。

リーダー(司会進行)を決めてください。 そのほかのメンバーの 役割(記録係、資料作成係、プレゼンター( 登壇者))を決めてください。

グループ名を決めてください。

記録係は、試験答案用紙表面の最上部に、授業科目名、グループ名を記入してください。 メンバーは、記録係に従い、学籍番号、氏名、役割を直筆署名してください。 その際、 筆頭著者を登壇者の氏名の前に〇をつけてください。

討論を開始したら、記録係は討論の内容を裏面に記録してください。

討論がまとまったら、資料作成係は、試験答案用紙表面グラフィカルアブストラクト に表現してください。

グラフィカルアブストラクトを撮影し、WebClassにアップロードしておくと復習に便利です。

登壇者は、プレゼンテーションのイメージをしましょう 11 ) メラビアンの法則を意識して、 非言語表現も工夫しましょう 12 )

グループ名が指名された後で、じゃんけんなどで登壇者を決めるのは、授業進行の妨げとなりますので、 必ず、討論前に 登壇者を決めてください。

記名だけして、討論に参加しない場合、不正行為として扱うことがありますので、必ず討論に参加してください。 自分から参加できなそうな人には、積極的に声がけをお願いします。 期末の成績評価申請時に、グループ名やメンバー、討論の内容を思い出せるよう、答案用紙を撮影することを推奨します。

ランダムにグループを指名し、壇上で、 プレゼンテーションしてもらいます 13 ) 。 質疑応答の際も、グループを指名しますので、指名されたグループのプレゼンターが質問、コメント、アドバイスをしてください。 ディベートとしての反対意見は、大歓迎です。

資料作成係は、討論の内容をポスターとして、試験答案用紙の裏面にまとめてください。 資料作成係に従って、他のメンバーが代筆してもかまいません。

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✍ 平常演習

平常演習の配点と取り扱いについて

平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、期末にWebClassの成績評価申請書に申告していただき集計します。

授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みますので、 WebClassへの提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。

WebClassへの平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、成績評価申請書に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。

成績評価申請書では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClassに提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 14 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。


参考文献