乾燥して合材が接着したアルミニウム集電体も電解液が含浸した途端剥離することがあります。これはバインダーに膨潤した溶媒がアルミニウム|合材界面に滲出すると同時に膨潤によって合材の体積膨張が起き、アルミニウム|合材界面に大きな応力が働くからです。合材の膨張収縮は溶媒の膨潤ばかりではありません。炭素導電助材にインターカレーションしたアニオンが炭素材料そのものの体積変化をもたらす可能性があります。このような電池の寿命にかかわる接着力増大が期待できる表面修飾、アンカー効果が期待できるモルフォロジーの模索、など、今後のリチウムイオン二次電池の集電体の研究は益々の進展が望まれます。