アジピン酸アンモニウム水溶液中におけるアルミニウム陽極酸化反応のインピーダンス解析による検討
平成8年度化学系7学協連合東北地方大会
1996/10/02
【目的】アルミニウムのアノード酸化皮膜は電解コンデンサー等の誘電体として用いられているが、その基礎的成長過程は十分解明されているとは言えない。そこで電流密度とエージング過程におけるインピーダンスの関係を調べることによってその成長過程を検討した。
【方法】試料極として、電極面積 1cm2、厚み0.1mm、純度99.99%のアルミニウム箔(昭和アルミ)を0.1N NaOHで前処理して用いた。5wt%のアジピン酸アンモニウム(コンデンサグレード)水溶液中で電流規制で電流密度を変えて所定の電圧までアルミニウムを陽極酸化し、ただちにその電圧でエージングを行った。エージング時に交流を重畳し、そのインピーダンスを測定した。
【結果と考察】5V迄陽極酸化して、5Vでエージングしたときの電流-時間曲線をFig.1に示す。電流は時間とともに減少してゆく。同時に測定したインピーダンスより求めた皮膜厚みの変化量をFig.2に示す。エージング中は流れた電流に対応して皮膜の厚みが増加してゆき、電流の減少とともに成長が遅くなってゆくくことがわかる。また到達電位より低い電圧でエージングしても皮膜が成長し続けていることがわかる。従来エージング過程では、生成した皮膜の欠陥部が修復されると言われていた1)。しかし電流規制時の到達電圧の酸化皮膜厚みはその電流密度に依存することがわかっており2)、次式はそれをうまく説明することが出来る。今回の結果は、(1)式によってさらにエージング挙動も説明可能であることを示している。
青森県八戸市内丸1-1-1八戸氏公民館
●化学系9学協会連合東北地方大会1)
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004~),学会発表1996@C12)
【学会】化学系9学協会連合東北地方大会
立花和宏, 研究ノート, (2008).
緒言(C > C1履歴 > 【199 > 学会発表1996@C1,【1996年度(平成8)卒業研究】
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2009).
立花和宏, 研究ノート, (2008).
(2) 緒言(C > C1履歴 > 【199 > 学会発表1996@C1,【1996年度(平成8)卒業研究】
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2009).