炭素担持アルミニウム電極の二重層容量に対する電極表面処理の効果
トーヤルカーボ1)の裏面からの観察とアルミニウム/炭素接触インピーダンスの解析を行いました。
測定試料には、アルミニウムに炭素をコートした電極(SampleA)と、アルミニウムを炭化水素処理してウィスカーを生成させ、炭素をコートした電極(SampleB)の二種類を用いた(東洋アルミニウム社製)。この試料を電極面積が1cm2になるように旗型に切りだした。切り出した電極の表面とアルミニウムを臭素メタノール(メタノールに臭素を10%溶解したもの)で溶かし裏側の表面をSEMを用いて観察した。電解液に1M (C2H5)4NBF4/PC(キシダ化学)、対極にPt、擬似参照電極にAg(+3.0V vs. Li/Li+)を用いて、3電極式でサイクリックボルタンメトリー(CV)を行った。掃引速度は0.5V・s-1で行った。また、電解液に15wt%アジピン酸アンモニウム(AA)を用い、対向式で交流インピーダンス測定を行った。
Fig.1にSample電極表面のSEM画像を示す。SampleA,Bの表面SEM画像には大きな差は見られなかった。しかし、SampleA,Bの裏側の表面SEM画像には大きな違いが見られた。SampleAの方は表面が平坦なのに対して、SampleBの方は表面が凸凹しています。この凸凹はウィスカーであると考えられます。
Fig.2にSampleA,Bのサイクリックボルタモグラムを示す。SampleA,Bを比較すと容量が大きく違うのが分ります。これはウィスカーを生成させることによって、アルミニウムの表面積が大きくなり容量が大きくなたと考えられます。
また、交流インピーダンスから静電容量を算出した結果、周波数が100Hzの時SampleAは1.1μF、SampleBは36.6μFとなり、約36倍SampleBの方が静電容量が大きいことがわかった。
2006年電気化学秋季大会@京都府京田辺市2)
M2:なり3)4)
【関連講義】
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