⇒#214@講義;
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000.
p型半導体
無機固体化学
では、
「
無機固体の半導体と原子価制御
」
の中で、
「p型半導体」について
述べられています
⇒#214@講義;。
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初版
例:酸化ニッケル(NiO) → NaCl型構造。抹茶のような緑色の固体。
Niの電子配置は[Ar]4s23d8。
これがイオンになるときには、「4s電子から先に失われて」
Ni2+:[Ar]4s03d8となる。(通常3d軌道に5個以上電子を持つ
元素、Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Znは、同じ理由で2+イオンになりやすい)
理想的な組成のNiOは、電子が動けないので「絶縁体」である。
☆ Niは、2+の状態のほかに、3+の状態もいくぶん安定にとりうる。
→ 現実の酸化ニッケル中では、すべてのNiが+2価なのではなく、1000個に1個程度の割合で+3価になっているものがある。すなわち、ただしくはNi1-xO (x≒0.001)と表わされる。
☆このように、陽イオンと陰イオンの比が単純な整数比にならない化合物を「非化学量論化合物」、または「不定比化合物」(non-stoichiometric compound)という。
☆ たとえ不定比化合物であっても、「電荷の総和」は必ずゼロでなくてはならない(これは万物共通)。
酸化ニッケルの構造を、不定比を強調して描くと、右図のようになる。
すなわち、Ni3+が2個できるごとにNi2+の「空孔」が1個できる。
そのようになれば、電荷の総和がゼロに保たれる。
現実の酸化ニッケルの組成を、イオンの電荷と空孔まで考慮して
表現すると、Ni2+1-3xNi3+2x□xO2- となる(←重要)。
ところで、Ni3+イオンはつねに3+の状態に留まっている必要はない。Ni2+とNi3+が混在すると、
というように、「イオンそのものの位置は変わらないままで」電子がNi2+からNi3+に移動できるようになる
(上の図で電子が左から右に移動すると、Ni3+の状態が右から左に移動する)。これによって電気が流れる。
このような電子の移動は、p型半導体のそれと同じである。従って、酸化ニッケルは「p型半導体」である。
☆酸化ニッケルの電気的性質:
Ni2+のイオン半径:0.83Å、Ni3+のイオン半径:0.74Åである。Ni3+イオンが小さいので、周囲の酸素がNi3+の方向に位置をずらしている(右図)。
右図のNi3+イオンによそから電子が移ってくるときには、
周囲の酸素(酸化物イオン)は、またもとの場所に戻らなくては
ならない。すなわち、電子の移動が起こるたびに、酸化物イオン
がわざわざ位置をずらしたり戻ったりする必要がある。
1)そのため、Ni2+⇔Ni3+の間の電子移動はそれほど容易では
なく、酸化ニッケルの導電率は極めて低い(室温で10-6Sm-1程度)。
ただし、温度が高くなると原子の熱振動が活発になるので、酸化物イオンの位置の移動が容易になり、
導電率が大きく上昇する(関連の内容は後述)。
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<a id='yznl214' href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=214'>
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<a href=''>
p型半導体
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<!-- 講義ノート 講義ノート 講義ノート -->
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<article>
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<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=214'>
<q><cite>
p型半導体
</q></cite>
</a>.
山形大学,
<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Syllabus.asp?nSyllabusID=11058'>
無機固体化学
<a/a>
講義ノート, 2005.
<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=214'>
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=214
</a>
,
(参照 <time datetime="2024-11-9">2024-11-9</time>).
</article>
</li>
</article>
<!-- 講義ノート 講義ノート 講義ノート -->
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