ESR測定によるニオブアノード酸化皮膜欠陥の定量分析 1、 緒言及び目的 ニオブのアノード酸化皮膜の比誘電率が42でありタンタルのアノード酸化皮膜の比誘電率(23~27)と比べて大きい。ニオブのアノード酸化皮膜を誘電体として用いるニオブコンデンサはタンタルコンデンサに比べて大容量化が期待できる。ニオブは遷移金属であり、その酸化皮膜は非化学量論的化合物となる。したがってESR測定によって結晶中の不対電子を定量すれば酸化物の組成Nb2O5-xに関する情報がえられる。よって、ニオブアノード酸化皮膜のESR測定による組成分析を目的とする。 2、実験方法 ESR測定用キャビティの片側から直径0.3mmのニオブ線を役7~10mm程差込 みそのままキャビティをガスバーナーで溶封する。0.1mol/lのリン酸水溶液を調整しマイクロシリンジで空気が入らないように電極周辺からキャビティ内に注入する。最後に0.5mmのPt電極をキャビティの反対側から挿入、固定し20Vに達したら10分間エージングする。その後、ESR測定を行う。アノード酸化時の漏れ電流値と体積当りの物質量の二つを報告すること。