永田は酸化皮膜の欠陥部がもれ電流の原因となっており、たとえばアルミニウムの場合欠陥部には以下の3種類があると述べている。 ① 不純物を原因とする欠陥部 ② 水酸化物 ③ 皮膜中のボイド9) しかし、二オブ、タンタルの欠陥部については述べられていない。長原らはアノード酸化皮膜に伴う体積膨張と二オブイオンの低い輸率により酸化皮膜に割れが生じ、割れた部分に集中的にアノード電流が流れ結晶性酸化物が生じ欠陥部となっていると述べている。金属表面技術便覧に欠陥部の評価方法には ① 染料の電気泳動法 ② Electrograph法 ③ 薬品溶液に浸せきする方法 ④ ギ酸浴電解法 ⑤ Fact法10) の5種類があると記述されているがこれらの評価方法は水溶液中での電気化学的測定によるものであり、酸化皮膜/固体電解質面での接触抵抗の評価方法には適用できない。佐藤らはアルミ二ウムにアセチレンブラックを接触させ接触抵抗を測定できると述べている。しかし二オブ、タンタルでは接触抵抗を測定していない。そこで二オブ、タンタルの酸化皮膜上にアセチレンブラックを接触させ、その接触抵抗を比べることにより二オブ、タンタルの酸化皮膜の欠陥部を評価した。