指令1.血痕を探せ 犯罪捜査で用いられる化学分析法 その1“ルミノール反応” 【血痕の検出】 古くから犯罪捜査の中で血痕の検出にはルミノール反応が用いられてきました.殺人事件の現場で、犯人が血液をきれいに拭き取ったのに、鑑識の人が液を吹きかけてランプを照らすと、血痕から青い光が浮き出るのを、サスペンスドラマで見たことがありませんか? 吹きかけた液は、ルミノール溶液で青い光が観察されます. 【ルミノール】(luminol)とは? ルミノールはアルカリ性水溶液中で、過酸化水素1)などで酸化すると青色に発光します。血液があると発光が強まるので、血痕の鑑識に利用されています. ← ルミノールの構造式 <ルミノール反応> 赤血球の主成分はヘモグロビンであり、ヘムと呼ばれる鉄部分と、グロビンと呼ばれる複数のタンパク質部分から構成されています.このヘムと呼ばれる鉄部分がルミノールと反応して、化学発光するわけです. 今回の実験では、このヘムと呼ばれる鉄部分と構造が極めて類似するヘミンを使用し 指令2.指紋を照合せよ 犯罪捜査で用いられる化学分析法 その2“ニンヒドリン反応” 【指紋の検出】 近年科学捜査研究所、及び鑑識課において、様々な化学反応が捜査に利用されていますが、その中でも人物確定の基盤の一つが指紋の検出です. 検出法にはヨウ素などを気化させる「蒸気法」やシアノアクリレートという瞬間接着剤を使用する「気体法」、レーザー光線や微弱紫外線を照射して指紋を浮かび上がらせる「光学法」などがあります。今回実験で行うのは、ニンヒドリン液を使った「液体法」です. 【ニンヒドリン】(Ninhydrin)とは?2) ヒトの汗などに含まれるアミノ酸に反応します.紙類などの検出に頻繁に使用される化学物質です.紙や布などの表面に薄く噴霧し、加熱すると紫色の指紋が現れてきます.ニンヒドリンで発色した指紋は特殊フィルターを付けた専用のカメラを使用し撮影され証拠として残されます. 【動画】3) 四丁目サイエンス劇場「夏休みスペシャル」 http://c1.yz.yam… 四丁目サ > サイエンス劇場スペシャル―化学への招待,四丁目サイエンス劇場立花 和宏,ピカッとさいえんす, 講義ノート, (2007).(1) 過酸化水素, Hydrogen peroxide, H2O2, = 34.01468 g/mol, (化学種).(2) ニンヒドリン, , C9H6O4, = 178.14424 g/mol, (化学種).(3) 四丁目サ > サイエンス劇場スペシャル―化学への招待,四丁目サイエンス劇場立花 和宏,ピカッとさいえんす, 講義ノート, (2007).