非水溶媒中でのアルミニウムのブレークダウン電圧の挙動としてLiBF4、LiPF6、(C2H5)4NBF4でのクロノポテンショグラムを図 1に示す。水溶液中でアノード酸化した場合と同様に直線的な電位上昇が確認されるが、その上昇速度は酢水溶液より急激である。ブレークダウン電圧はLiBF4で38V、LiPF6で19Vと水溶液系よりかなり低い。また(C2H5)4NBF4でわかるようにカチオンの種類はあまり影響を与えない。なおこのブレークダウン電圧は有機電解液中の水分濃度とともに上昇し、約1200ppmの水分を含むLiBF4で58Vとなり、その後の水分増加に対しては頭打ちとなる。 イオン液体中でのブレークダウン電圧は高い。そこで表 3に図 1と図 2から得られたブレークダウン電圧と導電率を示す。導電率が小さいほどブレークダウン電圧が大きくなっていることがわかった。 よしき1)はイオン液体についても言及2)。 表 3 図 1と図 2をまとめた電解液とブレークダウン電圧の関係 このようなブレークダウン電圧と電解液の導電率の関係は水溶液系でも知られており対数則に従うと言われている。そこで図 3に導電率の対数とブレークダウン電圧の関係を示す。図 3からわかるように非水材料中におけるアノード酸化でもそのブレークダウン電圧は導電率の対数にほぼ比例することがわかった。 イオン液体関連,電解液仁科 辰夫, 卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2007).(1) エネルギー貯蔵デバイスにおけるバルブメタルアノード酸化皮膜の欠陥制御田中 良樹, 卒業論文, (2006).(2) イオン液体関連,電解液仁科 辰夫, 卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2007).