1、 緒言及び目的 ニオブは、化成することで金属表面にアノード酸化皮膜(Nb2O5)を形成し、その皮膜を誘電体として用いている。だが、ニオブは熱安定性に欠け、タンタルに比べ皮膜絶縁性(リーク電流特性)が悪い。田中らは電解質に水分を添加することで皮膜絶縁性が向上すると述べている。また、赤峰らはカソード材料に導電性高分子であるポリアニリンを使用することで漏れ電流値を抑制することが出来ると述べている。今回は、高分子を使用するニオブ箔の漏れ電流値がどの程度になるか確認することを目的とする。 2、 実験方法 Nb箔(厚さ0.05mm、純度99.9%)を旗型に切り出し、アルカリ脱脂後、5分間超音波洗浄する。その後、旗型電極の柄の部分を50Vでマスキングし、電極面積が1cm2となるようにする。0.1Mリン酸水溶液,25℃で流密度1mA/?で定電流アノード酸化し、電位が20V(VS.Ag/AgCl)に達したら15分エージングする。参照極にAg/AgCl、対極にPtを用いる。その後、電解液1mol/L LiClO4 /EC:DEC(1:1)、擬似参照極にAg、対極にPtで定電流アノード酸化し、5Vに達したら30分間定電位保持する。漏れ電流値が180μAになることを確認できるクロノアンペログラムを記録すること。