水分の影響による電位の上昇
水分の影響による電位の上昇は,二酸化マンガンを被覆していない場合,水分濃度が50ppm以下から2000ppmになることで電位は24.1~26.1V から42.3~42.4V となり約17.3V高くなった.二酸化マンガンを被覆した場合の電位は,水分濃度が50ppm以下から2000ppmになることで27.1~27.6Vから44.6~46.4Vとなり約18.2V高くなった.水分濃度2000ppmで電位が42.3~46.4Vと上昇したことは,アノード酸化に伴って有機電解液中に存在する水分から生じる水酸化物イオンを利用して酸化皮膜が修復,成長することを示唆している14).
一方,水分濃度50ppm以下では十分な水酸化物イオンが供給されないため,さらに酸化皮膜を修復,成長させることが出来ない.そのため,ニオブ表面の酸化皮膜はリン酸水溶液中で生成させた酸化皮膜の耐電圧までしか耐えられず, 電子なだれによる電解が起きるため電位は24.1~27.6Vで一定になったと考えられる.
by AM\tachibana