電池の中の電気を流さない電池部材の大切な働き 9 月26 日(日) 9:00~12:00 26A2(9:30~10:00) 座長: 佐藤貴哉 (鶴岡高専) 「電池の中の電気を流さない電池部材の大切な働き」 立花和宏 (山形大工) 岩手大学と私 盛岡工業専門学校 上田キャンパス1) 遠野物語の発刊がちょうど明治43年、米沢工業専門学校でした。 私自身不勉強なものですから電池のあらましについて復習しながら電池の構造を確かめて、それから電気を流さない電池部材についてお話したいと思います。 電池にはご存知のようにプラスとマイナスがありますが、電子を流さないものでつながないとショートして、あっというまに全部反応してしまいます。それでは電池ではなくてただの酸化還元反応です。電池は酸化剤と還元剤が電子的に直接触れないように工夫されています。それは電解液です。電解液は電子を流しません。 たとえば食塩水。流れているのは電子ではなくイオンです。そもそも電子が自由に流れるのは金属結晶だけです。というより自由電子によって結合している物質を金属と分類していると言ってもかまいません。こんな物質はぴかぴか光っていて、触るとひんやりして、しかもひっぱたくと平らになります。 食塩水ではイオンが流れます。水に溶解した水分子の作用によって食塩はナトリウムイオンと塩化物イオンにばらばらになります。これを電離といいます。水は電子を流しますか?いいえ。水は共有結合ですから自由に電子を流したりしません。じゃあ純粋は電気を通さないのですか?いいえ。少しは電気を通します。でもこれは電子を通すのではなくて自己解離するからです。 水酸化カリウム水溶液に電極を入れて電気分解すれば酸素と水素が発生します。電気を運んでいるのはカリウムイオンと水酸化物イオンです。プロトンがいないののに、水素が発生するのでしょうね・・・酸素の方も二電子還元とか四電子還元とかいろいろあるようですが、正直なところ私は納得する説明を聞いたことがない。 リチウムイオン二次電池に使う電解液も大きく分極してやれば、電気分解します。電池には電位窓が広い方がいいのですが、どうも分解しているのはイオンの方ではなく溶媒らしい。水溶液の場合と同じですね。電気を流すのに働いていない溶媒分子が電子の受け渡しをしているのですよ。 なんで? 液体ってそもそもどういうこと?液体は分子同士が相互作用を持ちつつ秩序があるってこと。つまり一見ばらばらで自由気ままのように見えてスタートとゴールはちゃんとヒモでつながってる。そういうのをパーコレーションといいます。電子軌道のヒモですよ。ま、道みたいなものですね。道があったからといって必ずしも車が通るわけではない。障害物だらけの道はやっぱり通りにくい。 道の通りやすいさのことを移動度、道の混雑具合を電荷密度と言います。 電池の中の電気を流さない電池部材の大切な働き2) (1) 上田キャンパス, キャンパス.(2) 電池の中の電気を流さない電池部材の大切な働き立花 和宏, 平成22年度 化学系学協会東北大会, (2010).