2.1 測定値と物理量 物理量とは質量、長さ、体積、圧力など、客観的に測定できる量のことである。一般に数値と単位の積で表される。測定値には必ず誤差が含まれる。それがどの程度であるかは測定器具の精度に支配される。同じ量を測定していても使用する器具によって測定値の精度は違ってくる。 2.2 有効数字 有効数字とは数値の精度に関する表現のことで、最小桁で示す場合と、全桁数で示す場合がある。最小桁で示す場合は「小数第○位まで有効」と表現する。数値が整数の場合は「1の位まで有効」と表現する。9.876 ml8467; は小数第3位まで有効である。最小桁は測定器具の性能によって決まる。全桁数で示す場合は「有効数字○桁」あるいは「○桁が有効」と表現する。9.87 m8467; は有効数字3桁である。全桁数は測定器具の性能と試料の物理量によって決まる。 例題1 容量 100 m8467; のメスシリンダに 9.9 m8467; の水が入っている。ここに、0.001 m8467; の水を加えたときの体積を求めよ。 解説 何も考えなければ、9.9m8467; + 0.001m8467; = 9.901 m8467; となるが、これで、よいのだろうか? 9.9 m8467; は 9.85~9.95 m8467; の呼称であり、0.1 m8467; の幅がある。そこに0.001 m8467; (= 0.0005~0.0015 m8467; )を加えると、9.8505~9.9515 m8467; と幅(の可能性)が 0.101 m8467; に広がる。しかし、1の位は信頼でき、小数第1位には不確かさがあり、小数第2位以下には信頼性はない。これは 0.001 m8467; を加える前と変わりはない。 したがって、上式は 9.9m8467; + 0.001m8467; = 9.9 m8467;