☆ 固体の中には磁石になるもの、ならないものがある。磁場に対する物質の応答を磁性という。磁性には沢山の細かな分類があるが、ここでは基本的な大分類を述べる。 磁場への応答の測定原理(右図) 1.電磁石(電源OFF)の中心よりも上に試料を天秤でつるす。 2.電磁石をONにする。 3.試料の挙動をみる。 挙動により、おおまかに以下のように磁性を分類する。 (A) 強磁性体:磁石に強く引きつけられる。電磁石をOFFにしたあと、自分自身も磁石になっている。 例:鉄 (B) 常磁性体:弱い力で磁石に引き寄せられる。自分自身は磁石にならない。 例:アルミニウム、液体酸素 (C) 反磁性体:非常に弱い力で磁石から遠ざかろうとする。自分自身は磁石にならない。 例:銅、水 *常磁性体や反磁性体の応答は非常に弱いので、我々は肉眼や手の感触程度では知ることはできない。精密な装置を使って初めて知ることができる(水が反磁性を示すことは、後期の応用化学演習IIで実験するかも知れない)。