☆電気が流れるということ → 固体の中を「電荷を持った粒子が移動すること」。 電荷を持った粒子:電子およびイオン。ここではまず電子による電気伝導について。 <電気抵抗、比抵抗、導電率> ・電気抵抗:ある物体(固体)に電圧E(V)をかけた ところ、電流I(A)が流れた。 電気抵抗R(Ω)は R = E/Iで与えられる。→「オームの法則」 物体のサイズや形がかわると、電気抵抗も変わる。断面積が広いほど、長さが短いほど、電気抵抗は小さくなる。 ・比抵抗(または抵抗率):断面積M、長さdの物体の電気抵抗がRのとき、比抵抗(ρ)は ρ = R×M/dで与えられる。単位はΩ・cm、Ω・m、S-1・cm、S-1mなど。 これは、試料のサイズや形に依存しない、物質本来の電気の通しにくさを表わす。 ・導電率(または電気伝導度):比抵抗の逆数。σで表わす。物質本来の電気の通しやすさを表わす。 単位はS・cm-1、S・m-1など。 例:断面積1mm2、長さ1mの物質に10Vの電圧をかけたところ、1mAの電流が流れた。この物質の電 気抵抗、比抵抗、導電率を計算せよ。 ① 良導体(金属的導体、金属ともいう) → 室温における導電率がおおむね106S・m-1以上。温度が上がると導電率がかすかに低下する。 ② 半導体 → 室温における導電率がおおむね10-6S・m-1以上106S・m以下。温度が上がると導電率が大きく上が る。良導体と半導体の区別がつきにくいときは、導電率の温度変化を調べればわかる。 ③絶縁体 → 室温における導電率がおおむね10-6S・m-1以下。完全な絶縁体(導電率=0)は存在しない。 今週のまとめ: 1.エネルギーバンドについて理解する。 2.電気抵抗、比抵抗、導電率について理解する。 3.良導体、半導体、絶縁体の違いを理解する。