アルミニウムは不働化してバリア型の絶縁性皮膜を生成するが、電解液の自己修復機能によってその絶縁性を維持していると考えられている。諸説があるもののアルミニウムの酸化物にはアニオン空孔があり、このアニオン空孔が表面に露出している表面欠陥サイトに電解液のアニオンが吸着して見かけ上の絶縁体となっていると言われている。ここでいう表面欠陥サイトとは電子的な欠陥であって、花びら上の形状欠陥とは異なる。このような表面欠陥サイトに電池活物質や炭素導電助材が接触することでオーミック接触が成立し、集電体の本来の機能が発現する。
アルミニウムのような集電体に活物質を接触させても電気は流れません。導電助材にアルミニウム粉末を使った場合も電池として動作しません。
金に集電体に活物質を接触させても電気は流れます。導電助材に金粉末を使った場合も電池として動作します。
このことから、アルミニウム集電体は活物質と直接電子をやりとりできず、活物質はアルミニウムの酸化皮膜の電気抵抗を増大させる性質を有することがわかります。
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四フッ化ホウ酸イオン1)/六フッ化リン酸イオン2)/過塩素酸イオン3)
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