Q1. NiOにAl3+、ZnOにLi+を固溶することが可能だとすれば、それぞれn型、p型の半導体になるか? A1. ならない。Ni2+とZn2+はそれぞれNi3+やZn+には「ちょっとならなってもいい」が、Ni+やZn3+には「断じてならない」という性質があるから。 Q2. 安定な酸化数がひとつしかない金属の酸化物(例えばMgOやCaO)にLi2OやAl2O3を固溶すると、半導体になるか? A2. ならない。MgやCaは+2価のイオンにしかならない。もしあえて価数の異なるイオンを固溶すると、「陽イオン:陰イオン」の比がずれた固溶体ができる。例えば、MgOにLi2OやAl2O3を固溶すると、下式のように「空孔」ができることが知られている。 :VOは酸素空孔 :VMgはMgサイト空孔 (注意:空孔ができる場合については次週「イオン導電体」で触れる)