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生産工程や研究開発・実験などで要因(原因)と結果との関係を調査・分析したい場合に、出来るだけ短期間に、効率的、経済的に実験・テストを行えることが望ましい。そのために考え出されたのが「実験計画法」という実験・テストのやり方の企画法(デザイン)である。この実験計画法の創始者はR.Fisher(1890年生まれ)と言われている。彼はロンドンの農事試験場にて、種子の品種による収穫の差異を正確に判定し品種を選別する仕事をしていた。ところが、この実験では種子、地力、気候、肥料など多くの要素が複雑に絡み合っており、その要因を一つ一つ固定しながらの実験では、結論を出すのに何十年もかかってしまう。そこで、彼は数多くの要因を一度に盛り込んだ多変数実験を行い、実験結果のデータから各の要因の影響度を算出出来る実験の方法を考案した。この場合に、実験をランダムに実施するなどの重要な要件を満たすことが前提となる。実験計画法は、統計的手法の中で、よく活用される上級の手法である。実験計画法には、数多くの種類があるが、実験計画法を勉強する時に最初に扱うのが一元配置法である。この他に、二元配置法、多元配置法、乱塊法、交絡法、分割法、ラテン方格法などがある。この実験計画法を利用して、生産工程での要因と出来上がって来た製品(結果)との関係を解析し、より品質レベルの高い、コストの安い製品を生産するための工程管理条件を見つけだすことが、非常に効率的に出来る。但し、この実験計画法を、正しく使いこなすためには、その前提条件となっている「無作為化(ランダム化)の原理」「小分けの原理」「交絡の原理」「直交化の原理」などについて基本的知識を身に付ける必要がある。これらは、初めて聞くと難しく抵抗を感じるけれど、「習うより慣れろ」という諺の通り、まず、実践し経験を積むことが大切であろう1)。
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