場の量子論
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量子力学を相対論的に扱うには波動関数を演算子と見直す必要があります。物質の究極の構成要素と考えられる素粒子は、現実には生成消滅を繰り返します。場の量子論と呼ばれる理論では、一種類の素粒子に対して、1個の素粒子場が存在します。たとえば電磁場を量子化すると、光の素粒子である光子の場が得られます。このような究極では物質ではなく量子場のみが基本量となります。しかし、素粒子の質量やエネルギーは小さいはずですが、場の量子論を使って計算しようとすると無限大になってしまうという困難がありました。繰り込み理論や超ひも理論がこの疑問を解消しようとしています。