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表面技術協会
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アルミニウムアノード酸化皮膜と高分子化合物の接触界面における電気化学
表面技術協会東北支部
東北大学1)
宮城県仙台市2)
成22年度の(社)表面技術協会東北支部 第2回講演会を以下の要領で開催いたします。多数のご参加をお願いいたします。
主催:(社)表面技術協会東北支部
共催:(社)電気化学会東北支部
日時:平成23年1月18日(火)
場所:〒980?8579 仙台市青葉区荒巻字青葉
東北大学工学部青葉記念会館 中研修室(701号室)
内容:(1) 講演会 14:30~16:30
講師 福島県ハイテクプラザ 大堀 俊一 様
「県便り2010冬 ~福島県ハイテクプラザから~」
講師 山形大学大学院理工学研究科 立花 和宏 様
「アルミニウムアノード酸化皮膜と高分子化合物の接触界面における電気化学」
講師 CABOT Co. 泉 知夫 様
「タンタル材料概説とコンデンサ用粉末技術開発」
青森新幹線も開業し、東北の活性化が期待される。新幹線は自動車に較べて炭酸ガスの排出量が少なく地球温暖化を抑制するため、アメリカでも導入が検討されている。航空業界との競合、自動車業界の市場縮小などが起こり、それぞれ生き残りをかけた戦略が模索されている。
新幹線のインバータに使われる高耐圧型のアルミ電解コンデンサはフィルムコンデンサへの置換が進んでいる。自動車では電気自動車の期待が高まっている。
電気自動車のキーテクノロジーのひとつが電池の価格である。軽量小型のリチウム電池が期待されるものの、量産効果によるコストダウンを図るため、新たな材料開発とそれをサポートする生産プロセスが検討されている。
その流れの中で、アルミニウムはリチウム電池の正極集電体への塗工技術も新たな検討がなされている。
アルミニウムは卑な金属で空気中でもその表面に自然酸化皮膜を作るがリチウムイオン二次電池中では酸素や水分が存在しないためアニオン中のフッ素を使って不働態化し、自身を腐食から守るとともに電解液の分解を抑制している。
しかしそのアノード酸化皮膜には欠陥も多く存在し、通常は電解液中のアニオン吸着などでその絶縁性を保っている。その欠陥サイトに導電助材の炭素粒子が接触するとキャリア注入が起こり、電子伝導が実現する。
しかしその欠陥サイトにバインダーなどの高分子化合物が接触してもキャリア注入が起こり、思わぬ電気分解などが発生し、電池の信頼性を著しく低下させる。
高分子化合物は電池に限らずめっきの分野でも光沢剤など広く電解反応に応用されているが、電極に及ぼす作用機構についてはまだ十分に体系化されているとはいえない。
本講演では電池の信頼性を向上させるためにどのような高分子化合物を選ぶのがよいのか、その指針を捜し求めた試行錯誤の結果を紹介する。
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004~),セミナー2010@C13)