語釈1.
金属の表面が適当な酸化剤によって酸化皮膜に覆われて不働態になることです。アノード分極してもほとんど電流が流れなくなります。金属の腐食反応や耐食性と密接な関係があります1)。通常、酸化剤としては、空気中の酸素、水溶液中の溶存酸素、オキソアニオン、などです。鉄やニッケルは溶存酸素の存在下、アルカリ水溶液中でも不働態化します。アルミニウムなどのバルブメタルは中性水溶液中でアノード酸化すると不働態化します。
有機電解液中では、適当な酸化剤が存在しないため、多くの金属が溶解しますが、アルミニウムは、フッ素を含むアニオンのもと不働態化します。
そのため、アルミニウムはリチウムイオン二次電池の正極集電体に使います。
語釈2.
(1)リチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化立花和宏、佐藤幸裕、仁科辰夫、遠藤孝志、松木健三、小野幸子,Electrochemistry, Vol. 69, No.9, pp.670-680,,(2001).