細胞膜
1.
生体を構成する細胞と細胞をしきる膜。疎水性のリン脂質の二分子のあいだに親水性のたんぱく質がモザイク状にはめこまれ自由に動くと考えられています。これを流動モザイクモデルといいます。細胞膜は半透膜に近い性質があり、溶媒を浸透させます。ナメクジに食塩をかけると体内の水分が浸透によって外に出てしまいます。細胞膜には選択透過性があり、受動輸送と能動輸送を行います。たとえばナトリウムポンプは、刺激を受けるとATP分解酵素が作用してATPをエネルギーとして高い活動電位を示す興奮状態になります。細胞膜でしきられた細胞同士はいくら密着していても融合することはありませんが、例外的に細胞膜の融合が起きるのは、卵子が受精するときはウィルスが感染するときです。X線による回折像を調べたところ、二枚の細胞膜の一部だけが細くつながった砂時計のくびれのほうな構造が見つかりました。これはストークと呼ばれるDNAなどの分子をやりとりする架け橋ではないかと考えらています。