1.
反結合性軌道(自由電子)に関係する伝導帯と結合性軌道(束縛電子)に関係する充満帯(価電子帯)があります1)2)。伝導帯と充満帯のエネルギー差をバンドギャップ3)といいます。絶縁体、たとえばダイヤモンド4)のバンドギャップは6eVと大きく、真性半導体のゲルマニウム5)で0.7eV、ケイ素6)では1.1eVとなります。物質の中の電子は、それぞれの固有のエネルギーをもちます。その電子のエネルギーの大きさは成績の順位のようなものです7)。そして、その勝敗はデジタル的で同点はありません。ですから、多くの原子からなる固体結晶中の電子のエネルギーは、一列の横並びになることはありません。しかし、学校の成績が遊んでいても良い成績がとれる自由なグループと補習を受ける縛られたグループにわかれるように、電子も、そのエネルギーによって自由なグループ(伝導帯)と縛られたグループ(充満帯)にわかれます。この能力別クラス編成みたいなヤツをエネルギーバンドと言います。バンドキャップとはこの伝導帯と充満帯のエネルギー差のことです。バンドギャップが大きい物質を絶縁体とよび、バンドギャップが小さい物質を半導体と呼びます。バンドギャップがない物質は導体になります。バンドギャップがあっても金属がよい導体なのは、バンドが電子で詰まっていないためで、電子が外からの電圧で加速(励起)されれば、高いエネルギーレベルに容易に移ります。金属の電気抵抗が高温になるほど増加するのは、熱励起によってもともと電子がたくさんある電導帯に移り、電子の動きを鈍らせてしまうためです8)9)。
(1) 固体状態 > 固体の性質
井上 勝也 著, 現代物理化学序説 改訂版, 培風館, (1981).
(2)  > キャリアの数は?
竹内淳, 高校数学でわかる半導体の原理, 講談社ブルーバックス, (2007).
(3) バンドギャップ() ⊿ε [ジュール].
(4) ダイヤモンド, , C, FW = 12.011 g/mol, (化学種).
(5) ゲルマニウム, , Ge, FW = 72.59 g/mol, (化学種).
(6) ケイ素, Silicon, Si, FW = 28.0855 g/mol, (化学種).
(7) 固体状態 > 固体の性質
井上 勝也 著, 現代物理化学序説 改訂版, 培風館, (1981).
(8) 無機固体化学,物質化学工学科(Aコース),etc,物質化学工学科,山形大学
E862,シラバス-山形大学, (2007).
(9)  > 初歩的なバンド理論
P.A.Cox著/魚崎浩平[ほか]訳, 固体の電子構造と化学, 技報堂出版, (1989).
井上 勝也 著, 現代物理化学序説 改訂版, 培風館, (1981).
(2)  > キャリアの数は?
竹内淳, 高校数学でわかる半導体の原理, 講談社ブルーバックス, (2007).
(3) バンドギャップ() ⊿ε [ジュール].
(4) ダイヤモンド, , C, FW = 12.011 g/mol, (化学種).
(5) ゲルマニウム, , Ge, FW = 72.59 g/mol, (化学種).
(6) ケイ素, Silicon, Si, FW = 28.0855 g/mol, (化学種).
(7) 固体状態 > 固体の性質
井上 勝也 著, 現代物理化学序説 改訂版, 培風館, (1981).
(8) 無機固体化学,物質化学工学科(Aコース),etc,物質化学工学科,山形大学
E862,シラバス-山形大学, (2007).
(9)  > 初歩的なバンド理論
P.A.Cox著/魚崎浩平[ほか]訳, 固体の電子構造と化学, 技報堂出版, (1989).