語釈1.
物体が定常運動をするときの軌跡。たとえば地球が太陽のまわりを公転する道筋やスペースシャトルが描く軌跡をいいます。また列車の線路のうちレール、枕木、道床からなる設備をいうこともあります。
ボーアは水素原子のスペクトルがとびとびであることを説明するために原子のまわりを電子が回っていると考え電子に軌道(Orbit)の考えを導入しました。しかしこのモデルはすぐに電子が原子核へ落ち込んでしまう矛盾を抱えていました。そこでシュレーディンガーが波動方程式を使って電子のふるまいを記述しました。波動方程式では電子は粒子と波の二つの性質をあわせもつため粒子の軌道(オービット)というのはおかしいで英語ではオービタル(Orbital=軌道みたいな)といって区別するのですが、日本語では区別せずに軌道という言葉で表現するのが普通です。波動方程式での軌道とは量子数が決められたときのそれぞれの解(波動関数)のことで電子のエネルギー準位が対応します。分子の波動関数を求めるのに原子軌道法や分子軌道法があります。
分子軌道にはσ軌道やπ軌道があります。
【関連講義】
基礎量子化学,分子軌道1)
【関連書籍】
固体バンドの理論2)
分子軌道法(目次)3)
図説量子化学 : 分子軌道への視覚的アプローチ(目次)4)