固体の表面(界面)は結合の手が切れているため常にある種の格子欠陥です。極性の大きい金属酸化物の表面には酸素やフッ素などの電気陰性度の大きい分子が電子軌道の重なりにより強く吸着していると考えられます。
電解液中のアルミニウムの不働態皮膜の表面もこのような状態にあり、吸着している化学種が表面欠陥によって生じる電導電子を強くひきつけて結果として高い絶縁状態を保っていると考えられます。
しかし、そのような状態で炭素材料が接触すると吸着している化学種は炭素の方から電子を引き寄せるようになり表面欠陥によって生じる伝導電子を解き放つため、電気が流れるようになると考えられます。
もともと酸素を多く含む正極活物質では逆に表面欠陥によって生じる電導電子を強くひきつけてしまい、アルミニウム集電体と正極活物質ではオーミックコンタクトが成立しないことになります。
では炭素のどこから流れるか?アセチレンブラックのような導電助材に使われる炭素はその表面が鱗片状のグラフェンシートで覆われていると考えられます。グラフェンシートの平面方向にはπ電子の非局在化によって電気伝導が現れます。グラフェンシートの層間には電子伝導はありません。表面のグラフェンシートのエッジとアルミニウム不働態皮膜の面欠陥が接触することで電子伝導が起こります。
グラフェンシートのエッジ間は、トンネル伝導と考えられます。グラフェンシートのエッジ部分には溶媒や分散媒の分子が吸着してエッジ間の距離を広げてしまうため、合材スラリーに含まれる溶媒や分散媒の乾燥条件は電池の性能に大きな影響を及ぼします。
○藤田圭介,…らは、2010年に愛知県産業労働センター(〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38)で開催された第51回電池討論会においてXRDを使った合材スラリー乾燥過程における炭素導電助材表面へのバインダー析出過程の解析について報告している1)。
○佐藤和美,…らは、2005年に熊本で開催された電気化学会第72回大会において電気二重層キャパシタの内部抵抗と集電体表面処理について報告している2)。
【物理量】
内部抵抗3)接触抵抗4)導電率5)
【関連書籍】
ガスセンサ6)
初歩的なバンド理論7)
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004~),アルミニウム|炭素導電助材8)
XRDを使った合材スラリー乾燥過程における炭素導電助材表面へのバインダー析出過程の解析
○藤田圭介,関根智仁,立花和宏,仁科辰夫,講演要旨集 (2010).
電気二重層キャパシタの内部抵抗と集電体表面処理
○佐藤和美,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,足高善也,Patrice Simon,尾形健明,電気化学会第72回大会講演要旨集 (2005).
結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 集電体| > アルミニウム|炭素導電助材,集電体|導電助材
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2006).
(1) XRDを使った合材スラリー乾燥過程における炭素導電助材表面へのバインダー析出過程の解析
○藤田圭介,関根智仁,立花和宏,仁科辰夫,講演要旨集 (2010).
(2) 電気二重層キャパシタの内部抵抗と集電体表面処理
○佐藤和美,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,足高善也,Patrice Simon,尾形健明,電気化学会第72回大会講演要旨集 (2005).
(3) 内部抵抗(Internal Registance) [オーム].
(4) 接触抵抗() [オーム平方メートル].
(5) 導電率(conductibity) [ジーメンス毎メートル].
(6) 身のまわ > ガスセンサ
竹内節, 吸着の化学―表面・界面制御のキーテクノロジー―, 産業図書, (1995).
(7)  > 初歩的なバンド理論
P.A.Cox著/魚崎浩平[ほか]訳, 固体の電子構造と化学, 技報堂出版, (1989).
(8) 結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 集電体| > アルミニウム|炭素導電助材,集電体|導電助材
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2006).
○藤田圭介,関根智仁,立花和宏,仁科辰夫,講演要旨集 (2010).
(2) 電気二重層キャパシタの内部抵抗と集電体表面処理
○佐藤和美,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,足高善也,Patrice Simon,尾形健明,電気化学会第72回大会講演要旨集 (2005).
(3) 内部抵抗(Internal Registance) [オーム].
(4) 接触抵抗() [オーム平方メートル].
(5) 導電率(conductibity) [ジーメンス毎メートル].
(6) 身のまわ > ガスセンサ
竹内節, 吸着の化学―表面・界面制御のキーテクノロジー―, 産業図書, (1995).
(7)  > 初歩的なバンド理論
P.A.Cox著/魚崎浩平[ほか]訳, 固体の電子構造と化学, 技報堂出版, (1989).
(8) 結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 集電体| > アルミニウム|炭素導電助材,集電体|導電助材
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2006).