語釈1.
これは、アルミPET等のフィルムのことですね。これは、PET等のフィルム表面に本当に薄いアルミニウムを蒸着したもので、酸素ガスなどの透過性がほとんどないために、食品の酸化防止に有効なものとしていろいろなところで使われていますね。最近のスナック菓子などは、内面が金属光沢をもっていますが、これもアルミを蒸着したフィルムを使っています。ということで、たぶん、アルミナ蒸着とは違うのではと思います。アルミナというのは、アルミニウムの酸化物で、アルミニウムは酸化しやすい(酸素と結合しやすい)金属なんです。ですので、金属アルミニウムを空気に接触させると、その表面にアルミニウムの酸化物、すなわちアルミナが自然にできます。このとき、金属アルミニウムの表面が非常に薄くて緻密なアルミナ膜(1ミクロンの1/100くらい)で一様に覆われるので、それ以上金属アルミニウムは酸化されなくなります。この時、表面はアルミナ(酸化アルミニウム)になっていますが、その膜が非常に薄いことから、光も透過してしまいます。ちなみに不純物が入っていない酸化アルミの単結晶(サファイア)は無色透明です。これにクロムなどの不純物が入っていると赤くなったりするわけです。酸化アルミニウム自体は毒性はなく、無害でしょう。アルミニウム表面の酸化アルミの部分は印刷もしやすいので、それを特徴付けるためにアルミナ蒸着と言っているのかもしれませんね。これらのアルミニウムの酸化物はAl2O3という原子の組成比になっています。
蒸着膜の厚さがどのくらいなのかは私は知らないのですが、これを高温燃焼さ
せた場合は、ほとんどが酸化アルミニウムになってしまうでしょう。ですので、フィルムの燃焼排気のほうが有害なものを出しやすく、アルミニウム自体は問題にはならないと思います。
但し、ゴミ焼却炉の中では、温度が比較的低い状態で生ゴミを乾燥させる部分があり、また、燃焼の過程でも還元性の雰囲気になっている部分もあります。アルミニウムの融ける温度は660℃ですから、アルミ缶やアルミフォイルなどの厚いアルミニウムは酸化しきれずに溶融してしまい、ゴミを押し出したりする金属ブレードに張り付いてしまうような事故を起すことがあるそうです。ですから、アルミフォイルやアルミ缶などは分別する必要があるわけです。今回のアルミPET等のアルミ蒸着膜は、このようなアルミ缶やアルミフォイルとは比較にならないほど薄い(1/1000くらい)厚さでしょうから、このような事故も考えなくて良いだろうと思います。
ご質問のものは、やはりアルミナ蒸着PETのお話なんですね。こんなものがあったなんて知りませんでした。良い勉強になりました。ありがとうございます。
どうやら、アルミナ蒸着はダイオキシン対策として開発された技術のようです。とくにPET上へのアルミナ蒸着はトッパンの独自技術(特許?)のようです。
http://www.gunze.co.jp/plastic/kcoat01.htm
http://www.toppan.co.jp/aboutus/tech_info/bulletin/41/article4.html
食品包装フィルムは、酸素バリア性を高めるためにKコート=PVDCコート(塩ビ系)しますが、これが燃焼時にダイオキシンを発生します。そこで、PVDCコートの代替無機材料を開発しにかかったようです。
これは想像ですが、アルミ蒸着では透明性を確保できないため、食品の内容が
確認できなくなります。そこで透明性を維持しつつ代替無機材料蒸着というこ
とで酸化物蒸着に走ったのではないかと思います。たぶん、電子ビームやイオ
ンビーム蒸着技術を使っているのだろうと思いますが、使い捨ての食品包装フィルムにまでこんな技術が使われる時代になろうとは…正直、世も末という感想を持ちますが、そういう時代なのかもしれませんね。本当にエネルギー多消費時代なんですね。
で、ご質問の件ですが、アルミナは金属アルミニウムの酸化物で、これを還元する(金属アルミニウムにする)のは非常に難しい技術でして、普通の燃焼や水素なんかでは還元できません。溶融塩電解という特殊環境でしか還元できないんです。ですので、アルミナに関するお答えは、前回のメールの通りで、環境上の問題にはならないと思います。
本当にありがとうございました。 
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