語釈1.
お堅いモードの仁科として、はじめは対応します。後ほど、素 のモードに転換します。私の母校である東北大学工学部の学生さん(旧原子核系)ですね?私は化学系の出身です。母校であるだけに、簡単に正解だけを提供してしまうことは止めにします。これは意地悪ということではなく、旧帝大系の大学に入学を許可された学生に対する、私からの教育の意味を込めてであります。君たち旧帝大系の学生さんは、君たちの世代の中で、学業成績の偏差値が上位数%に入る選ばれた人材であり、君たちが明日の日本を背負ってたつ真の意味での『エリート』として育つべき責務を負っているからであり、そのために東北大には莫大な教育研究費が国民の血税から注入されているためであります。その点を君達自身の 誇り として認識して欲しいためであります。未来に向かって進むべき道をエリートが誤りなく提案・指導し、その他大多数の人間が、その道を正
しく実施することができれば、社会はうまく機能する。我々山形大学に入学してくる学生達は偏差値が50程度の『その他大多数の人間』たちであり、この『その他大多数の人間』たちが正しく仕事を遂行できるように、使える人材
として育てるのが山形大学の役目であり、その責務を『エリート』として背負っているのが、私や山形大学の教官でしょう。東北大学の教官は、真の意味での『エリート』を育てるという責務を負っている『エリート中のエリート』なのです。社会は、『エリート』と『その他大多数の人間』が、各々に託された役目を正しく果たしてこそ、いい仕事ができるのです。君達は、nobles obligesを既に負っているということを 誇り として、学問にいそしんで下さい。
このままでは、あまりにも酷すぎるかもしれないので、君が行動すべき事柄のヒントを提供しておきましょう。
教科書を調べる。
これは、数ある電気化学の教科書のどれでも良いでしょう。
それを自ら調べてみてください。君達がひとり立ちしたあとは、誰も教えてくれなくなるでしょうし、君達は、誰もやったことがない、未踏の問題に挑戦していくのですから、誰も教えることが不可能なのです。そのときに、情報をどのように入手するか、調べるかを、自らの力だけで成し遂げなければならなくなる。そのための第一歩は、教科書に帰り、先人達の知恵から学びとることでしょうし、そのための力を養いましょう。今回の質問では、キーワードは活量です。
私からアドバイスできる追加キーワードは、デバイ-ヒュッケルの式、デバイ-ヒュッケルの極限則、イオン強度、平均活量係数、です。教科書の最後のほうには索引が出ています。その索引も活用し、関係する部分を調べてみましょう。ちなみに、電気学会で発行している『電気化学』には、デバイ-ヒュッケルの式から計算したAg+イオン単独の場合の活量係数が表として出ていますし、技報堂出版から出ている『電気化学の基礎』には、硝酸銀のみの水溶液の平均活量係数が表として出ています。そのほかには、『電気化学便覧』や『化学便覧』がデータ集としては優れていると思います。
教官を利用する。
教科書で調べてみて、その内容に理解できない部分があったら、どこがわからないのかをリストアップし、教官に詰め寄りましょう。それに答える義務が、君の指導教官たちは『職務』として負っています。それを果たすことができない教官は、職務怠慢として攻め立てましょう。ただし、教官も人間であり、完全なものではないので、教官自身が理解できない問題もあるでしょう。その時は、別の教官を紹介する義務が教官にはあるでしょう。それすらできない教官は、職務怠慢です。
紹介された教官も理解できない問題だったとすれば、それは研究対象として探求すべきテーマの一つということになるでしょう。今回の問題についても、対応可能な教授いるはずです。彼らの研究室の助教授や助手も力になるでしょうが、責任者として対応すべきは教授職にある人間です。これ以外にも、東北大には面白い奴がいます。機械系のH教授です。こいつは電気化学はダメだけど、ミーハーだし、マスコミ操作はうまいし、機械系では珍しい男です。まぁ、東北大の先生方とは絶対に意見がすれ違うだけの、飼い殺しにしかならないんじゃないかと思うと勿体無い化け物ですね。早く山形大に戻って来ない
かなぁ…
あれ?いつの間にか 素 のモードの仁科になっちまったい。
それでもダメなときは…
ここからは 素 のモードに入ります。それでもダメなときは、東北大学を見捨てましょう。私の所に来なさい。山形大学の力を集約して、君達を育ててみせようじゃないですか!『その他大多数の人間』である我々は、いい仕事をするために、『エリート』達を使いこなしてナンボなんですね。『エリート』達は『その他大多数の人間』たちに使われてこそ、その存在意味があるんですよ。真の意味での『エリート』って、『その他大多数の人間』たちに使われているフリをしながら、自分でもいい仕事をするために、『その他大多数の人間』たちをいつの間にか使いこなしているもんです。そんな奴、この日本にどれだけいると思う?東北大を見たって、大したことないよなぁ。だから、今の日本っておかしくなっちゃんたんだよ。もし君が、『その他大多数の人間』たちに使われる『エリート』であるよりも、『エリート』達を使いこなす『そ
の他大多数の人間』のほうが良いというのならば、東北大にいることはマイナス要因にしかならない。俺たちと一緒にいい仕事しようぜ!『エリート』達を使いこなす『その他大多数の人間』から、真の意味での『エリート』へと育ててみせるよ。こんなことを、一介の助教授でしかない私が言い切ることができる山形大学は、面白いところですよ。
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