なかなか高い真空度が得られなかったにもかかわらずガラスの密閉性と成型性を利用してスワンが白熱電球で40時間の点灯を実現したのは1878年であった。エジソンとテスラと交流か直流かを争っていたころ、エジソンは白熱電球の一方の極だけ黒くなることを見つけていた。
エジソン電灯会社で電気技師として勤めていたフレミングはマルコーニ研究所この真空中を電気が流れるという現象に目をつけて研究を続けた。マルコーニ研究所にはエジソン研のような電球製造設備と真空ポンプがなかったので研究はだいぶ苦労した。
それでもフレミングは1904年に真空管を発明した。それまで整流器の主役であった鉱石にとってかわり、レーダーやラジオの検波回路で活躍することになる。
真空管は二極管、三極管、多極管のほかブラウン管やマグネトロンと発達していくことになるが、整流作用と増幅作用に限って言えば、電子をたたきだすにのわざわざヒーターで温めるというのはいたって効率が悪い。そこでまた半導体へと戻ってゆくことになり、ダイオード、トランジスタの発明によってその姿は時代と共に消えていった。
ガラス→蛍光灯
発明戦争―エジソンvs.ベル1)
【備忘】
ガイスラー管(ガイスラーかん、Geissler tube)は1857年に物理学者であり、ガラス細工の技術者であったハインリッヒ・ガイスラーが発明した、減圧したガラス管に電極を設けて放電実験に用いるもので、ネオン管や蛍光灯の先駆けになった。
クルックス管(クルックスかん)とはグロー放電の実験を行うための、真空度0.1Torr以下の真空放電管をいう。
真空放電管は1855年にドイツのプリュッカー(en:Julius Plucker)とハインリッヒ・ガイスラー(Heinrich Geissler)によってガイスラー管が造られ、陰極線の研究にもちいられていた。その後、ウィリアム・クルックスが1875年頃から自作の真空ポンプで真空度を高めた実験を行った。
2008年、政府は国内大手家電メーカーに対し、地球温暖化防止のため、2012年度までに消費電力の高い白熱電球の製造中止を呼びかけた。
真空管
情報機器の購入からリサイクルまで~スマートフォンに至る歴史~2)