語釈1.
-----Original Message-----アルミイオン(Al3+)を伝導種とする電池の可能性を言われて
いると思いますが、こ ういう多価イオン電池は難しいと聞い
ていました。Mg系では研究が進められているよ うですが、AL
についても研究はあるのでしょうか。ある先生が、
酸化物系の固体電解質を研究している中で、アルミ
イオン伝導も研究されていましたが、確か500℃以上の高温
で実用的な伝導率になったように思いました。ALの場合は静 
電相互作用が強く動きにくいため、電解液や正極材の選定が
難しいような気がしてい ました。電池の構成としては、Liイオ
ン電池のように有機電解液や溶融塩等が候補になるのでしょ
うか。また、「アルミニウム/空気電池」はどういう構成になる
のでしょうか(一次電池?)
----- unquote -----
「アルミニウム/空気電池」は、亜鉛・空気電池の亜鉛をアルミ
に変えたものです。アルミのイオン伝導体を用いて新しい電池
にしようというものではありません。これで、お分かりいただけ
ますでしょうか?
アルミって不思議ですね。アルミの陽極酸化皮膜の生成プロセ
スは、実は極めて高速で、電位走査法で検討すると、1000V/s
でも応答しちゃいます。これって、バリア型酸化皮膜生成時の
アルミナって、潜在的にはイオン伝導性が良いことを意味する
のではと思います。しかし、低電位で保持していると、欠陥部の
修復が起こってしまって、伝導性が悪くなってしまいます。
他にも不思議なことがあります。当研究室では、子供向け科学
イベントなどで、5年以上も前から、空き缶リサイクル電池という
ものをやっています。これは、飲み終わったジュースのアルミ缶
の内面を磨いてプラスチック被覆を削り落とし、負極として利用
するもので、正極にはキムコやノンスメルなどの脱臭剤の活性
炭を使った空気極です。電解液には、水取りぞうさんなんかの
塩化カルシウム系の除湿材で十分に湿気を吸って溶液になっ
ているものを使います。全て、廃品の利用というものです。で、
不思議な点は、セパレータなんて入れなくて、アルミ缶に直接
活性炭を詰め込んでも、電池として立派に機能してしまうんで
す。内部ショートして電池にならないと思ったら、逆に性能が良
いくらいなんです。どうしてなんでしょうね?
最近、電池業界の常識って、疑ってみたほうが良いような気が
してきました。