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セレンの4価と6価の化学式について教えて下さい。SeO3,SeO4がそうなのでしょうか?
価数というものは、酸化数ということですね。水の中で水に囲まれたイオン状態のSeの4価はSe(4+)、6価はSe(6+)です。これが塩や化合物ならば、例えば酸化物として表現すると、Seの4価はSeO2、6価はSeO3です。酸化数を明記するときは、Se(IV)O2, Se(VI)O3とローマ数字をつけて表現したりします。
酸化というのは、原子や分子から電子がとられて正(+)の電気の量が相対的に増えることを言います。例えば、金属状態のSeは+の電気の量と-の電気の量が同じだけあるので0価です。これから電子が4個とられると、相対的に-の電気量よりも+の電気量が多い状態になるので、Se(4+)になるわけです。これに対して、酸素Oは電子を2個引き付けてO(2-)になりやすいもので、酸化物という状態ではO(2-)になっています。この電子がとられた数が酸化数というもので、Se(4+)は酸化数が+4、O(2-)は酸化数が-2です。
Nは電子を3つ余計に引き付けやすい。炭素は4つ引き付けることもあれば、4つ電子を離すこともあります。化学の教科書にでている元素の周期表では、この炭素と同じ列の元素を境にして、左側の元素は正のイオンに、右側は負のイオンになりやすい傾向を持っていますが、一番右側の希ガスだけは、イオンにすることが難しい元素なんです。
お分かりいただけますでしょうか?