語釈1.
理科年表(平成12年版, 丸善)470ページ に「水の沸点」の表があります。同じところに沸点の近似式ものっていて、
沸点=100.00+0.0367(p-760)-0.000023(p-760)^2
と表されます(pは気圧[Torr].式が成り立つのは680--779Torrの範囲)
また理科年表(平成12年版, 丸善)390ページ には「気圧によって高さを知る表」があります。
これらを使って一つ計算してみます。近場にあるちょっとした山、
たとえば標高720mの山の上の気圧は「気圧によって高さを知る表」によると、
926hPaで,これをTorrに換算すると,926/1013*760=694.7 (Torr) となります。これを上の式にいれて計算すると、
100.00+0.0367(694.7-760)-0.0000223(694.7-760)^2=97.50
となります.したがって、
近場にある山の上では水は100℃ではなく97.5℃で沸騰することがわかります。
また「水 沸点 標高 関係」で検索してみますと,
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http://qube.agr.…
平時の場合は1013hPa(1気圧)で水の沸点は100℃です。標高が1000m高くなるにつれて気圧は約100hPaずつ低下し,富士山の山頂 (3776m)では約638hPaで水の沸点も約63℃まで低くなります。これは,沸騰する水面にかかる圧力が高いところでは低くなったために,水が蒸発し やすくなったからです。
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という記述があります.しかし、沸点が63℃というのは間違いですね。88℃程度でしょう。
また、水の沸騰は、水の蒸気圧と気相の全圧が等しくなったところで起こりますから、水の蒸気圧を知れば、上記理科年表の気圧によって高さを知る表と組み合わせて利用することができます。水の蒸気圧に関しては、丸善が発行している化学便覧 基礎編II(手元のものは第3版)のII-117ページに表があります。10℃単位で抜粋しますと、以下のようになります。760.00mmHg=1気圧です。
温度℃ 蒸気圧mmHg
0 4.581
10 9.208
20 17.536
30 31.827
40 55.33
50 92.55
60 149.44
70 233.77
80 355.26
90 525.26
100 760.00
110 1074.6
120 1489.1
130 2026.0
140 2710.4
150 3570.1