エネルギー化学

人はなぜ、情報に、エネルギーを使うのか。これを議論してみましょう。

別にエネルギーを浪費したいわけじゃない。 でも、デジタル社会に不可欠な情報通信ネットワークは、エネルギーをむさぼります。 どこかを照らしたいわけじゃないのに、液晶ディスプレイから情報を読み取るには、バックライトが必要です。 スマホを暖めたいわけじゃないのに、格闘ゲームをやれば、スマホが熱くなります。 それは、 情報を使うのに、電気を使うからです。

2021年秋には、 デジタル庁が設置されます。 2025年までに、デジタル化(DX)しないと、巨額の損失が出るかもと、経済産業省が言っています。 デジタル化したデジタル社会には、それに見合ったエネルギーが必要です。 一方、 菅総理は、2050年までに、温室効果ガスの排出をゼロにすると言っています。 地球温暖化を抑えるには、エネルギーを使うことを、控えなければなりません。 デジタル化と、地球温暖化抑制は、エネルギーの視点から見ると、本質的な矛盾をはらんでいます。

そんな矛盾を抱えた、工業製品をひとつ選んで、 人はなぜ、情報に、エネルギーを使うのかについて議論してみましょう。


例) 工業製品として、画像プロセッサを選んだ。

プレステの父と呼ばれる 久夛良木氏。 その 異端とも言える圧倒的なリーダーシップで、CELLを搭載した、 SONYのプレイステーション3が開発された。家庭用スーパーコンピュータとも言えるプレステ3の美しい3Dグラフィックスは、ゲーマーの心を奪った。 CELLは、画期的なヘテロジニアス・マルチコアのプロセッサであり、 その後の、マルチコア・アーキテクチャの方向性を決定づけた。

2009年、東芝は、イメージプロセッサにCELLを搭載した、 「CELL REGZA」を発表。「CELL」プロセッサーを採用した液晶テレビで、100万円という高価な価格も話題を集めた。 その頃はじまっていた、 地上デジタル放送は、それまでのアナログテレビを、イメージプロセッサ内蔵のコンピュータに変えた。

コンピュータの高速処理と低消費電力は、トレードオフだ。 高速処理すればするほど、電力消費は大きくなる。 たとえば、スマホのように、電池駆動のデバイスでは、ぎりぎりの妥協が求められる。

2021年オリンピックに向けて8K放送がスタートし、 テレビの解像度は、イメージプロセッサに、さらに高速処理を求めた。 しかも色彩豊かな有機ELは、発熱との闘いだ。 画面に配置された温度センサーから、緻密に温度予測し発光制御する。 その計算を瞬時にやってのけるイメージプロセッサの処理能力は、半端ではない。 井上氏が開発した、 認知特性プロセッサー「XR」は、それを実現するイメージプロセッサで、 ハイライト部分の全色同時点灯に成功した。 ちなみに XRを搭載した、SONYの55インチ有機ELのGoogleTVTMの待機消費電力は、388W。 エアコン並みに電力をむさぼる。

情報に、そこまで、エネルギーを費やす必要があるのだろうか。 もし、必要と言うなら、得られる情報にも、それに見合った価値が求められると思う。

https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1317835.html
https://www.sony.jp/feature/products/210412/?s_pid=jp_msctop_/feature/products/210412/_feajrny_brajrny
https://tecstaff.jp/2021-4-12-bravia-xr.html
https://www.phileweb.com/news/d-av/202008/05/50881.html
https://www.soumu.go.jp/menu_news/01ryutsu11_02000121.html
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1164039.html
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/4k8k_suishin/policy.html
https://ednjapan.com/edn/articles/0912/28/news060_3.html

✍ 平常演習

平常演習の配点と取り扱いについて

平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、期末にWebClassの成績評価申請書に申告していただき集計します。

授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みますので、 WebClassへの提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。

WebClassへの平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、成績評価申請書に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。

成績評価申請書では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClassに提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 1 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。