学んだ専門知識を活かすには

専門知識を活かせない技術者は、それだけで技術者倫理違反になりかねなません。

職業倫理なかでも医師にたとえるとわかりやすいでしょう。

ウイルス感染専門という肩書の医師が、「感染予防にマスクが有効です」と言ったところで、 評論家や政治家が「感染予防にマスクが有効です」と言ったのとなんら変わりません。 それどころか、一般大衆が「感染予防にマスクが有効です」と言ったのとなんら変わらないのです。 医師の専門知識が陳腐化マンネリ化してしまった例です。

同じように知識やスキルの陳腐化マンネリ化は、技術者でも起こります。

技術者は取り扱う物質の性質(物性)や過去の事例などをしっかり理解することで結果回避や予見をすることができると我々は考えた。
技術者は取り扱う物質の性質(物性)や過去の事例などをしっかり理解することで結果回避や予見をすることができると我々は考えた。
亜鉛やカドミウムを研究する研究者や有識者に意見を求めることや、危険性がないかの確認を取ることでこの公害病を回避することができたと思う。

これらのコメントは間違いではないし、役に立たないわけではないけれども、 学んだ専門知識が活かされず、陳腐化し、マンネリ化し、世間一般が言っていることと同じになってしまっています。

たとえば、水俣病の公害について議論するならば、触媒と反応速度、触媒の副反応、 副反応生成物の分析手法、ICP-MSがなかった時代の分析感度、 そういった、新たに学んだ専門知識を活用して議論しなければ、技術者倫理ではなく、一般倫理になってしまいます。 それどころか、マンネリ化した時間の無駄遣いになってしまいます。

前回、議論したテーマから、ひとつ選びなおして 専門知識が活用されているかどうか検証し、 専門知識を活用した新鮮な議論に再構築してみましょう。 また、専門知識や専門スキルが陳腐化やマンネリ化しないようにするための方策を論じてみましょう。



ワークショップについて

ワークショップを楽しみましょう 1 ) 。 グループ人数は、5〜6名とします。 7名を超えないようにしてください。

初対面の場合は、自己紹介をしましょう。 雑談をして、アイスブレイクしましょう。

リーダー(司会進行)を決めてください。 そのほかのメンバーの 役割(記録係、資料作成係、プレゼンター( 登壇者))を決めてください。

グループ名を決めてください。

記録係は、試験答案用紙表面の最上部に、授業科目名、グループ名を記入してください。 メンバーは、記録係に従い、学籍番号、氏名、役割を直筆署名してください。 その際、 筆頭著者を登壇者の氏名の前に〇をつけてください。

討論を開始したら、記録係は討論の内容を裏面に記録してください。

討論がまとまったら、資料作成係は、試験答案用紙表面グラフィカルアブストラクト に表現してください。

グラフィカルアブストラクトを撮影し、WebClassにアップロードしておくと復習に便利です。

登壇者は、プレゼンテーションのイメージをしましょう 2 ) メラビアンの法則を意識して、 非言語表現も工夫しましょう 3 )

グループ名が指名された後で、じゃんけんなどで登壇者を決めるのは、授業進行の妨げとなりますので、 必ず、討論前に 登壇者を決めてください。

記名だけして、討論に参加しない場合、不正行為として扱うことがありますので、必ず討論に参加してください。 自分から参加できなそうな人には、積極的に声がけをお願いします。 期末の成績評価申請時に、グループ名やメンバー、討論の内容を思い出せるよう、答案用紙を撮影することを推奨します。

ランダムにグループを指名し、壇上で、 プレゼンテーションしてもらいます 4 ) 。 質疑応答の際も、グループを指名しますので、指名されたグループのプレゼンターが質問、コメント、アドバイスをしてください。 ディベートとしての反対意見は、大歓迎です。

資料作成係は、討論の内容をポスターとして、試験答案用紙の裏面にまとめてください。 資料作成係に従って、他のメンバーが代筆してもかまいません。

*

✍ 平常演習

平常演習の配点と取り扱いについて

平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、期末にWebClassの成績評価申請書に申告していただき集計します。

授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みますので、 WebClassへの提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。

WebClassへの平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、成績評価申請書に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。

成績評価申請書では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClassに提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 5 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。


参考文献