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http://campus2.kj.yamagata-u.ac.jp/syllabus/2007/html/2007_05_52201.html
化学の分野において表れる様々な自然現象を物理学に基づいて説明するのが、物理化学であり、物理化学Iでは、その中で熱力学と呼ばれる分野を講義する。通常の物質は多くの分子あるいは粒子等から成り立っている。熱力学とは、このように多数の要素が集まって存在しているときの物質の性質を、少数の経験法則から説明するための理論であり、その適用範囲は膨大である。この理論は、化学反応か進むか進まないか、2種類の液体が混ざりあうかどうか、といった物質の性質から、エンジンの効率はいくらまで上げることができるか、といった身近な問いに答えることができる。この講義では熱力学に表れる様々な物理量の概念について、時間をかけてわかりやすく説明し、次にそれらの量の間に成り立つ数学法則を、自然な形で導入する。つぎに、その法則を物質科学の多くの問題に適用する方法を演習を行いながら習得する。
1.熱力学の概要と基礎的な用語の解説/2.熱力学第1法則(エネルギー保存則)/3.エンタルピー(系への熱の出入り)/4.可逆過程と不可逆過程/5.熱力学第2法則(エントロピー増大則)/6.ギブズ自由エネルギーと現象の方向性/7.ギブズエネルギーの温度および圧力依存性/8.純物質の相平衡(相の境界)/9.多成分系の相平衡/10.溶液の熱力学(束一的性質)/11.化学平衡(均一気相反応)/12.化学平衡(不均一系)/13.化学平衡と温度との関係/14.理想系から非理想系へ
物理化学についての序章 1)