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第5 物理II
1 目 標
物理的な事物・現象についての観察,実験や課題研究などを行い,自然に対する関心や探究心を高め,物理学的に探究する能力と態度を育てるとともに基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的な自然観を育成する。
2 内 容
(1) 力と運動
運動とエネルギーについての基礎的な見方や考え方に基づき,物体の運動を観察,実験などを通して探究し,力と運動に関する概念や原理・法則を系統的に理解させ,それらを応用できるようにする。
ア 物体の運動
(ア) 平面上の運動
(イ) 運動量と力積
イ 円運動と万有引力
(ア) 円運動と単振動
(イ) 万有引力による運動
(2) 電気と磁気
電気や磁気に関する現象を観察,実験などを通して探究し,電気や磁気に関する基本的な概念や原理・法則を系統的に理解させ,それらを様々な電磁気現象に応用して考察できるようにする。
ア 電界と磁界
(ア)電荷と電界
(イ)電流による磁界
イ 電磁誘導と電磁波
(ア)電磁誘導
(イ)電磁波
(3)物質と原子
物質と原子に関する現象を観察,実験などを通して探究し,物質の物理的な性質が原子や分子などの運動によってもたらされることを理解させ,固体の性質を電子の状態と関連付けて考察できるようにする。
ア 原子,分子の運動
(ア) 物質の三態
(イ) 分子の運動と圧力
イ 原子,電子と物質の性質
(ア) 原子と電子
(イ) 固体の性質と電子
(4) 原子と原子核
光や電子の波動性と粒子性,原子や原子核,素粒子における現象を観察,実験などを通して探究し,量子的な考えなど基本的な概念や原理・法則を理解させる。
ア 原子の構造
(ア) 粒子性と波動性
(イ) 量子論と原子の構造
イ 原子核と素粒子
(ア) 原子核
(イ) 素粒子と宇宙
(5) 課題研究
物理についての応用的,発展的な課題を設定し,観察,実験などを通して研究を行い,物理学的に探究する方法や問題解決の能力を身に付けさせる。
ア 特定の物理的事象に関する研究
イ 物理学を発展させた実験に関する研究
3 内容の取扱い
(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 「物理I」との関連を考慮しながら,物理学の基本的な概念の形成を図るとともに,物理学的に探究する方法の習得を通して,科学的な思考力,判断力及び表現力を育成すること。
イ 内容の(1)から(5)までのうち,(1),(2)及び(5)についてはすべての生徒に履修させること。(3)及び(4)については生徒の興味・関心等に応じていずれかを選択することができること。
ウ 内容の(5)については,ア及びイの中から一つ以上の適当な課題を設けて適切な時期に研究を行うものとし,創意ある研究報告書の作成や研究発表を行わせること。研究を行うに当たっては,仮説の設定,実験の計画,実験による検証,実験データの分析・解釈,法則性の発見など探究の方法を習得させること。その際,解決すべき課題についての情報の検索,計測・制御,結果の集計・処理などに,適宜コンピュータなどを活用させること。
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)のアの(ア)については,運動の記述と運動の法則を扱うこと。(イ)については,運動量の保存も扱うこと。
イ 内容の(2)のアの(ア)については,コンデンサーの基本的な性質にも触れること。(イ)については,直線電流及び円電流による磁界を中心に扱うこと。また,ローレンツ力にも触れること。イの(ア)については,電磁誘導の法則を中心に扱い,交流回路については定性的に扱うにとどめること。(イ)については,実験を中心に扱うこと。
ウ 内容の(3)のアの(ア)については,物質の状態変化を扱う際に,熱膨張にも触れること。(イ)については,理想気体の状態方程式及び分子運動と絶対温度の関係を扱うこと。また,モル比熱を扱う場合は単原子分子にとどめること。イの(ア)については,電子の波動性も簡単に扱うこと。(イ)については,物質中の電子の状態によって,導体,不導体,半導体などがあることを扱うこと。
エ 内容の(4)のアの(イ)については,水素原子の構造を中心にスペクトルと関連させて扱うこと。イの(ア)については,放射線及び原子力の利用とその安全性の問題にも触れること。(イ)については,素粒子を中心に扱い,宇宙については,素粒子の研究が宇宙の始まりの研究と結び付いてきたことに簡単に触れる程度とすること。
オ 内容の(5)については,内容の(1)から(4)まで及び「物理I」と関連させて扱うこと。イについては,物理学の歴史における著名な実験などを行い,原理・法則の確立の経緯とも関連付けて扱うこと。