活物質が溶解する。マンガン系の活物質においてはその溶解を抑制するためにいろいろな工夫がなされている。マンガンは多数の原子価をとるため、本質的に溶解しやすい要因を秘めている。溶解して活物質が失われることによる電池の容量減少のほかに、活物質の形状変化に伴う電流経路の遮断、溶解物が化学平衡に関与することによる電位の変化や副反応の促進、さらには溶解種が最析出することによる電流経路の遮断などが起こりえる。その対策としては活物質の表面にコーティングを施すなどの技術が知られているが、ノウハウの域にとどまり学術体系としてまとまっているとは言いがたい。