アルミ電解セル
卒業研究(C1-電気化学2004〜)
の単元です。
小単元
概要
アルミニウム箔(多結晶性99.99%、0.1mm厚み、電解コンデンサ用) の電極接続部分を柄として切り残して、7mm×7mmの旗型電極とし、電極面積が両面で10-4m2(=1cm2)になるようにした。柄の部分はアノード分極による濡れ性変化に伴う浸漬面積の変化を抑制するため液面近傍を予めアジピン酸アンモニウム水溶液中でアノード酸化した56)。この柄の部分をステンレスリードのネジに直接挟み込んで固定し試料極とした。アルミニウムの前処理として、アルカリ脱脂を行った57)。1M NaOH 中で20s、蒸留水で2sすすぎ、0.65M HNO3で10s中和し、再度蒸留水で2sすすいだ。有機電解液での実験に供するときは、水分除去のため、さらにMeOHで2sすすぎ、アルゴン置換グローブボックス(美和製作所, MDB-1K-O型(P))のサイドボックスで減圧状態を5min維持した後にグローブボックス本体内に入れた。蒸留水は、塩化物イオンの混入を避けるため、純水製造装置(YAMATO WG261)を用いて製造した導電率0.5×10-4S m-1以下の水を用いた。有機電解液として、1M LiBF4 / PC+DME(50:50 vol.)および1M LiPF6 / PC+DME(50:50 vol.) (キシダ化学) を用いた(以下LiBF4およびLiPF6と略記する)。またカチオンを変えた系としてテトラフルオロホウ酸テトラエチルメチルアンモニウム(以下TEMA.BF4と略記する)を用いた。有機電解液は電解液300mLに対し、400℃ Ar気流中4時間で加熱脱水したモレキュラーシーブス(4A 8-12メッシュ) 30gを加えてテフロン瓶中で30分ほど振り混ぜ、予め乾燥し、水分濃度を50ppm以下に保った。比較のための水溶液系の電解液として0.29 Mアジピン酸アンモニウム(電解コンデンサ用、以下AAと略記する)水溶液を用いた。有機電解液中の水分濃度はカールフィッシャー水分計(平沼自動水分測定装置AQV-200)により測定した。有機電解液系の電解セルの組み立ておよび電気化学測定は全てアルゴン置換グローブボックス中で行った。対極にはPt、準参照極としてAgを用いた。リチウム電池の電気化学的測定では、Liを参照極に用いることが多いが、ここではポテンショスタットのアノード側の電位制御範囲を広げ、水溶液系と比較しやすくするためにAgを用いている。水溶液系の電解セルには、対極にはPt、参照極としてAg/AgClを用い、参照極は塩化物イオンの混入を防ぐため、二重塩橋で接続した。