電解液の濃度と溶液抵抗
卒業研究（Ｃ１-電気化学２００４〜）
の単元です。
小単元
概要
１、 緒言と目的
近年リチウムイオン二次電池は電気自動車やハイブリッド自動車（ＨＥＶ）などに応用されており、更なる高出力化が必要とされている。しかし、正極には内部抵抗としてアルミと炭素の接触抵抗、電荷移動抵抗、炭素間の接触抵抗、溶液抵抗などが存在する。電池の高出力化のためにはこのような内部抵抗を低減する必要がある。内部抵抗は主に接触抵抗と溶液抵抗に分けられるが、今回は電解液の濃度を変えることで、電解液の濃度が溶液抵抗へ及ぼす影響を検討する。
２、 実験方法
Al箔(多結晶性、99.99％、厚み0.1mm、電解コンデンサ用)を旗型(電極面積1cm２)に切り出し、アルカリ脱脂を行った後、UFC(超微粒炭素分散液)をディップコーティングする。160℃で真空乾燥を行い、試料極を作成する。内部抵抗評価のための有機電解液として、キシダ化学の、LiBF4/PC+DME(50:50)、LiPF6/PC+DME(50:50)、LiClO4/PC+DME(50:50)、TEABF4/PC+DME(50:50)を用いる。電解質の濃度を変える場合はPC+DME(50:50)(キシダ化学)を用いて、濃度を0.1、0.5、1.0Mと変えた電解液を作成する。対極にPt、参照極にはAg擬似参照電極を用いて、3電極式密閉セルを組み立てる。掃引速度0.5V/secでサイクリックボルタンメトリーを行い、シミュレーションにより内部抵抗を算出する。
（それぞれの電解質濃度1.0Mで行った際の結果を報告せよ）