バインダの混合と接触抵抗
卒業研究(C1-電気化学2004〜)
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小単元
概要
1、 緒言と目的
リチウムイオン二次電池の製造は主に、@正極、負極合材の混合、コーティング、乾燥、プレス工程、A正極、負極及びセパレータの巻き取り工程、B電池ケースへの電極挿入工程及び電解液の注入工程、C封口工程の4つに分けられる。この@の工程にバインダは重要な役割を果たす。バインダの役割としては正極合材の均一なペースト化、活物質と炭素導電助材の結着、合材と集電体の結着などがある。一般的にリチウムイオン二次電池のバインダとして用いられているのはPVDF(NMP系)である。この他に、バインダの種類としてはXバインダ(水系、NMP系)、PTFE(水系)、SBR(水系)などがある。しかし、これら種々のバインダを混合した研究例は少ない。
一方、リチウムイオン二次電池の内部に存在する抵抗は集電体、活物質、導電助材、バインダ、電解液それぞれの界面に存在する。そのなかでも炭素/集電体界面の反応が律速となることが知られている。そこで合材と集電体の決着に混合バインダを用いることで炭素/集電体の接触抵抗にどのような影響を及ぼすか検討した。
2、 実験方法
バインダに、SBR、SBR+PTFE、Xバインダ(NMP系)、Xバインダ(NMP系)+PVDF、分散媒に純水またはNMPを用いる。Al箔を旗型に切り出し、アルカリ脱脂を行った後、UFC(超微粒炭素分散液)をディップコーティングする。160℃で真空乾燥を行い、試料極を作成する。内部抵抗評価のための有機電解液はLiPF6を使用し、対極にPt、参照極にはAg擬似参照電極を用いて、3電極式密閉セルを組み立てる。掃引速度0.5V/secでサイクリックボルタンメトリーを行い、シミュレーションにより内部抵抗を算出する。
(バインダに(PTFE+UFC)+SBR、SBR+UFCを用いた際の結果を報告せよ)