アルミニウム|酸化皮膜|有機電解液界面
卒業研究(C1-電気化学2004〜)
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小単元
概要
アルミニウムはアノード酸化されてアルミナ1)などの不働態皮膜ができますが、これは酸素不足型の酸化物半導体となります。したがって不働態皮膜の表面に電解液中のアニオンが吸着することでダングリングボンドが変化し、不働態皮膜内部のキャリア濃度の変化が導電率の変化し、漏れ電流やブレークダウン電位と言った絶縁特性が変化します。
またアルミニウムが非水材料で不働態化するのはLiBF4、LiPF6、などの電解質を用いたときに限定され、イミド塩などでは不働態化しない。これらのことを考慮すると、アルミニウムはLiBF4、LiPF6、(C2H5)4NBF4などのフッ素系アニオンからなる電解質を含む有機電解液中で、次のようなバリア型皮膜の生成反応により不働態化が進行し耐食性が与えられると考えられる。
Al + 3BF4- → AlF3 +3BF3 + 3e- …(3)
Al + 3PF6- → AlF3 +3PF5 + 3e- …(4)
表面の化学(目次)2)
卒業研究(C1-電気化学2004〜),非プロトン性極性溶媒3)
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004〜),電解液4)
えんどうは、2009年に、それまでの研究をアルミニウムの表面酸化皮膜が有機電解液中でのアノード酸化に及ぼす効果というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業した5)。
(
1) 
酸化アルミニウム, 
Aluminum Oxide, 
Al2O3,
FW =
101.9612 g/mol, (
化学種).
(
2) 
>
表面の化学(目次)岩澤康裕, 小間篤編,
表面の化学, 丸善, (
1994).
(
3) 
実験方法 >
材料&試 >
電解液 >
非プロトン性極性溶媒,
電解液仁科 辰夫,
卒業研究(C1-電気化学,
講義ノート, (
2008).
(
4) 
実験方法 >
材料&試 >
電解液,
材料&試料仁科 辰夫,
卒業研究(C1-電気化学,
講義ノート, (
2006).
(
5) 
アルミニウムの表面酸化皮膜が有機電解液中でのアノード酸化に及ぼす効果遠藤 淳一,
卒業論文, (
2009).