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🌡️ 📆 令和6年5月2日

固体の中の電子(エネルギーバンド)

1.

6.固体の中の電子エネルギーバンド
6-1 原子の中の電子原子軌道)
  原子軌道の名称→各自確認のこと。

6-2 分子の中の電子分子軌道
  ☆分子の中では、電子は全く新しくできた軌道(分子軌道)に入る。(無機化学Iの復習)

  例:H2分子

   ・H原子の中の電子は1s軌道に入っている。しかし、H2分子を作ると、2本の1s軌道が「1σ」と「1σ*」という新たな軌道に生まれ変わる。1σはもとの1s軌道よりもエネルギーが低く(したがって電子はそこに入ろうとする)、1σ*はエネルギーが高い(電子は入りたがらない)。1σ軌道は「結合性軌道」、1σ*は「反結合性軌道」と呼ばれ、そこに入った電子はそれぞれ「結合を作ろう」、「結合を切ろう」とする。
   ・通常H原子間の結合をH-HやH:Hと書いたりする。この-や:は「結合性軌道電子対」を示しているのである。反結合性軌道には電子は入らないから描かないだけである。しかし、どの結合にも反結合性軌道は存在する。
 例:He2分子が存在しないことを分子軌道法で示せ。
 例:エタン分子のC-C結合の分子軌道を描き、電子を配置せよ。
 例:テトラシラン(H3Si-SiH2-SiH2-SiH3)分子のSi-Si-Si-Si結合の分子軌道を描き、電子を配置せよ。
   結合の数は3本、電子の数は?

 ☆ 共有結合している分子では、いくら結合の数が増えても、「結合性軌道電子で満杯になり、反結合性軌
   道は常に空」である。
 ☆ 結合の数が増えると、結合性軌道反結合性軌道とも、エネルギー準位がわずかながらずれる(全く同じエネルギーではなくなる)。そのため、非常に多くの結合ができると、それぞれあるエネルギー幅を持った軌道の塊ができる。

6-3 固体の中の電子エネルギーバンド
   固体の中の電子の居場所にはそれぞれ名前がついている。また、このような「居場所」を総称してエネルギーバンドと呼ぶ。すなわち、原子分子のときには、電子は「軌道」に入っていたが、固体のように多数の原子からなる物質の場合には、電子は「バンド」に入ると言う。バンドも、結局は「軌道」の塊である。

  ここまでのまとめ:
   ・固体の中の電子の「居場所」の名称を覚えること。
   ・価電子帯伝導帯は、それぞれ結合性軌道反結合性軌道に由来していることを理解すること。
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