カキの山形大学受講成果

嘉規 円花

受講成果を公開する目的

情報処理概論で学んだことを記録しておくことで、それが自分の著作物となり、財産の一つとして取り扱うこ とができる。また、授業で理解した内容を改めて自分の言葉でまとめることで、知識として記憶しやすくなる と思った。

教育においてIT技術を活用する目的

自分の著作物(研究成果や論文など)を権利として社会に認めてもらうためにどのような方法が用意されてい るのかを学ぶことが目的だと思う。講義を受講したうえでうまれた自分の考えが価値あるものだということを 自覚し、活用する手段を身につけることで、情報社会で生活するうえで損することがなくなると思う。

第1回

情報の5Sに考えた。情報の5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の総称であり、これらに従っ て情報を管理する力が現代社会では求められている。そこで、演習課題では「電子メールを5Sに従って管理 する場合、どのような行動をとるべきか」についてグループで話し合った。話し合った結果、定期的にメール ボックスを整理することが重要ではないかという意見にまとまった。既読したメールをすぐに削除したり、あ る程度たまってきたら適度に確認する習慣をつけたりするといった具体的な解決策も提案された。私は、個人 のメールアドレスの扱い方について考えるべきだと思った。メールアドレスの登録を要求するアカウント作成 や会員登録は、慎重に行うべきである。

第2回

一人暮らしをするにあたって、インターネットの開設をする必要がある。住むアパートによってはすでにイン ターネットが通っている場合があるが、自分で契約する体験はしておくべきである。インターネット契約をす る前には下調べをすることが必要である。契約する企業の選択や契約期間の決定、工事の日程など事前に知っ ておくことでトラブルを回避することができる。また、契約の開始方法だけでなく、契約を解除するときの手 順も事前に調べておくとよい。引っ越すときに、自分の予定と工事の日程が合わないといったトラブルの防止 につながるからである。

演習課題では、実際に一人暮らしをするうえで必要なライフラインの見直しを行った。私はいくつかの電気会 社について調べた。その結果、東北電力で扱われている「オール電化+東北電力『よりそう+』ナイト&ホリ デー」という契約が一番自分に合うと考えた。このプランは、休日や夜間(22時~8時)の電力量料金が平 日の昼間と比べて安くなるという内容であり、また、オール電化に対応した内容も含まれている。

第3回

知的財産権は、著作権や産業財産権などに分類される。その分類の中でもさらに細かく分類されており、例え ば、意匠権や商標権は産業財産権の一つである。これらの権利は、作成者の権利を保護するものであり、今日 の情報化社会では常に意識していく必要がある。特に工学部の生徒として意識しておかなければいけないのは、 特許情報である。今回の課題では、実際に特許情報プラットフォームを使っていくつかの特許情報を調べた。 使用したサイトはコチラ

第4回

インターネットが多用される社会では、個人情報を保護するための仕組みが多く存在する。また、技術が進化 していくことでより高度なセキュリティシステムが生み出され続けている。個人情報としては、名前や生年月 日のほかに、メールアドレスや暗証番号も保護されるべき情報の対象である。近年よく使われる認証システム として挙げられるのは「生体認証」である。スマホのロック解除で日常的に使っている以外にも、ネット銀行 のログインにも使われている。私が利用しているネット銀行では、生体認証を利用してログインを行うように なっている。この認証システムは、唯一性を持っており強いセキュリティ機能を持つ一方で、いくつか気をつ べき点もある。その一つとして、認証システムを使用した後の情報の取り扱いが挙げられる。例えば、公共の 場でスマホからネット銀行にアクセスした場合、第三者にスマホの画面を見られる可能性があるため、とても 危険であると考える。このように、強い認証システムを使っていても、情報を取り扱う当事者の危機管理次第 では意味を成さなくなることもある。

第5回

レンタルサーバーの料金を調査した。様々な価格設定がされており、無料のものまであった。こんなにも料金 設定に違いがあるのはなぜだろう。料金が安いということは、なにかしらの不便があるということだと考える。 例えば、特定のコンテンツに関してはサーバーを開くことができなかったり、限定的に解放されたサーバーの みが使えるといった事例があった。サーバーを借りるときには、自分がどんな用途で使いたいのかを考えて、 値段を吟味したうえで、適切なサーバーを選ぶことが重要だと思った。安さだけにこだわるのは危ないと思った。 今回から、受講成果をまとめたウェブサイトの作成に取り掛かった。HTML言語を使って作成するのは最初は難し く感じたが、これから少しずつ慣れていきたい。

第6回

構造式をアプリにインプットし、分子軌道の計算を行った。使用したアプリは「BIOVIA Draw 2021」「SCIGRESS」 の2つである。

まず、smiles記法で書かれた化学構造について調べた。これは化学式をテキスト形式で表現したものであり、 複雑な化学構造でも文字列で表すことができる。例えば、グルコースをsmiles記法で表すと、

OC[C@@H](O1)[C@@H](O)[C@H](O)[C@@H](O)[C@@H](O)1

と表すことができる。

参考元はコチラ

この文字列を「BIOVIA Draw 2021」に挿入すると、構造式としてアウトプットされた。この構造式を利用して、 「SCIGRESS」で分子軌道の計算を行う。

また、これ以外にもChemSpiderというサイトを利 用して構造式を調べる方法もある。

実際に「SCIGRESS」で分子軌道の計算をした様子は以下のとおりである。

SCIGRESSの作業画面

実際に計算をしてみて、短時間でデータが出来上がるのはとても便利だと思った。一方で、自分で計算してい ないのでどんな過程を経て得られた結果なのかを理解するのが難しいと感じた。ITを利用するうえで、出力さ れた結果だけで判断するのではなく、自分の目で確かめることが大切だということが分かった。

第7回

コピーをすることは簡単である。しかし、それをどう利用するかによって便利にもなるし、著作権を侵害する ような事態をおこすこともある。誰かが苦労して作ったものを成果だけ奪うことのないように、自力でデータ を作り出す力を身につけていきたいと思った。

また、今回の授業では受講生が作ったホームページを一か所にまとめて使いやすくするための作業を行った。 実際の手順はコチラ 授業中に作ったリンクは以下に貼ってある。

受講生受講成果公開リンク

第8回

3D-CADを使って分子模型を作成した。まず、モノづくりに必要な設計図について考えると、手書きの図面は 管理が面倒であり、それを見ながらモックアップを作成するには時間がかかる。一方で、情報システムを通 じて設計図を管理すると、場所をとらずに膨大な量の情報を保管することができる。また、情報システムで管 理するデータから、3Dプリンターを使って短時間でモックアップを作成することが可能である。

ここで、情報システムにおいて代表的ないくつかのシステムについて説明する。 (以下は「工場の仕組みを考える」p.166を参考文献として記載している。)

今回使用した「3D-CAD」では、作図した図面から模型を作成をすることができる。図面を作成するときは、 規定の記号や線、SI単位を使用して書く必要がある。教科書「工業技術基礎」の最初の見開きや最後の見開 きのページに載っているため参考にしてほしい。また、詳しく調べたい場合はJISで調べることができる。

今回使用したアプリは「SOLIDWORKS2024 Educatior」である。実際にアプリを使用して、直方体の部品の3D モデルと図面を作成した。

実際に作成した3Dモデル

実際に作成した図面

実際に作成してみて、今回作ったのはとても単純な部品だったが、より複雑な部品を作るには時間がかかり そうだと思った。このアプリに備わっている機能を使いこなすことでより短時間で効率よく部品を作成でき るようになるのだと思った。

第9回

今回は演算処理をコンピューターで行った。コンピューターが微分方程式を解けるようになったことで、エ ンジニアに求められる能力は、演算能力よりも立式できる能力が優先されるようになった。AD変換は、アナ ログのデーターを数字に書き換えることである。例えば、記録した音声の周波数を一定の区間で区切ったり、 都合のいい数字で置き換えたりすることで、最終的には2進数で表すことができる。

今回使用したアプリは「Mathematica」である。山形大学の大学院入試問題を解いた。入力方法はウェブで調 べながら、導関数や微分方程式を解いた。

第10回

CAEを使うことで、設計段階で作りこむことができる。「作りこむ」とは、品質の長期維持や曲げやねじれへ の応力解析、製品化に向けた改善などがある。これにより、万が一事故が起きたときでも安全に対処しうる製 品を作り上げることができる。

解析ソフトウェアの一つとしてADINAがある。この解析ソフトウェアは、構造や流体、熱伝導について解析す ることができる。例えば、車のブレーキが作動したときに与えられる熱に関する解析がある。どのくらい高温 の熱が発生するのかを調べることで、その熱を冷却する開発に役立てることができる。また、航空機の排気ガ スが通過する領域や圧力を解析することもできる。電磁解析は、アンテナの開発や電子レンジの電波遮蔽など に役立てられる。

演習ではADINAによる曲げシミュレーションを行った。シミュレーションを行う前に、材料のヤング率とポア ソン比を確認した。曲げるためにかける圧力を決定するために必要な数値だからである。また、ADINAにインポ ートするデータは、第8回でCADを用いて作ったモデルを使った。このソフトウェアを使うことで、メッシュ一 つごとに微分方程式が計算され、曲げのシミュレーションを行うことができる。

第11回

授業の初めに、自分が持っているスマホのOS起動時間を確認した。様々なOSの起動時間と比較すると、iPhoneの 起動時間が比較的短いという結果になった。

OSとは、ソフトウェアを起動したときに一番初めに動く基本ソフトウェアである。このほかに、支援ソフトウェ アではプログラミング言語を人間がわかる言語に変換したり、ユーティリティプログラムではファイルの保守な どが行われたりしている。また、コンピューターの処理装置について、補助記憶装置や出力装置について学んだ。 その中でも、RAMとROMは記憶装置として重要なメモリであることが分かった。また、その違いについても知るこ とができた。 令和になって変わったこと AIが多用されるようになった ・インターネットによってビッグデータが手に入る ・少子高齢化によってAIの需要が高まった データが失われていもシステムが動き続けるようにすることを可用性という。書き込んだデータをUSBやCloudに保存 して複数個所持しておくことで、一つが失われても復活させることができる。 自分のiPhoneの消費電力を計算してみると、一日で約10Wくらい使用していることが分かった。

第12回

サプライチェーンマネジメントとは、物流の流れやカネの流れ、情報の流れを迅速かつ効率的に管理していこう とするものである。サプライチェーンを管理することは、製品を絶えず製造し、滞りなく消費者に届けるために 必要不可欠な作業だ。東日本大震災が発生したとき、地震による停電や津波の影響で食料が一時的に補給されな くなったという事例がある。これは、サプライチェーンが正常に機能しなくなったためである。

現代の工業では、情報システムによって在庫管理や製品構成などを管理している。授業中には、部品に付いてい るQRコードを読み取ることでその部品がいつ、どこで使われたか記録されていく様子を見た。部品の管理は、不 法投棄の防止にも役立つことから、作る過程だけでなく、廃棄するところまで責任をもって物を管理することが 常識となっている。化学物質の管理は環境保全のために必要である。実験や工業などによって排出される化学物 質の量は、環境に存在している量と同じくらいにすることを意識するとよい。 (実験で使用するボトルには溶媒の名前まで書こう)

第13回

センサは光や温度などを電気信号に変換することができる。センサの回路にはマイコンが組み込まれており、電 圧信号と電流センサからの電流信号から電力を計算することができる。電力は資源であり有限であるから、自分 がどのくらい電気を使用しているかを意識することは大切である。電力は、見えないところで常に消費されてお り、それによって生活はより豊かになっている。使っている意識が薄いからこそ、無駄遣いしやすい資源である から、電力をデータとしてみて計画的に電力を消費していきたいと思った。

アプリ開発の目的として、人材不足の補填がある。今後、人口減少がより深刻になっていく中で、 自動化とセンサを活用して、次世代が生活できるような社会をつくってほしい。

第14回

長文ドキュメントを作成するとき、章立てや目次作成といった、アウトラインに沿って文章を書いていく。ある 程度決まった型を利用して長文を作成するときには、「Word」を利用することで自分で設定しなくても効率よく 文章を作成することができる。また、「ChatGPT」や「Google翻訳」のように英語の長文を読む手助けをしてく れるWebサイトも存在する。しかし、翻訳の精度がまだ不安定な部分もあり、すべて任せきるには不安が残るの が現状である。特に、表やグラフを読み取る能力はまだ不十分であるため、根拠となる数値を知りたいときは、 自分で読み取ることが必要である。

第15回

受講ノートの仕上げを行った。単位認定書を作成した。

謝辞

受講成果をまとめるにあたって、多くの方にご指導いただきました。

この場を借りて深く感謝申し上げます。

初めに、伊藤智博先生には、情報社会で活用できる身近な知識から研究活動で役立つ細かな情報を多くご教示 いただきました。また、授業を一緒に受けた方々につきましては、グループワークの際に一緒に話し合いをし てもらったり、教科書を見せてもらったり、受講成果を書くときに協力してもらったりしました。本当にあり がとうございました。