作成者 本間史将,実験者 伊藤智博
2021/03/15,温度?,湿度?,気圧?

電極の前処理用液の調整

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目的および緒言

金属の表面についた油脂をアルカリでけん化処理するとグリセリンと脂肪酸ナトリウムができる。グリセリンは水に溶けやすいため、油脂を除去しやすい。

 図1 油脂と水酸化カリウムのけん化の反応式 *1
脱脂した電極を酸で中和して、電極表面のアルカリを除去する。使用する酸は揮発性のある硝酸を用いる。今回使用する水酸化ナトリウムと硝酸の反応式を式1に示す
 HNO3+NaOH→H2O+NaNO3(式1)
電極を洗浄するため前処理用の液を調整する1)。 前処理液は小野寺2)に従い1Mの水酸化ナトリウム水溶液100ml,1Mの硝酸100mlを作成する。*2

 

準備するもの

表1に使用した試薬を示す

表1 使用試薬
名前数量IDCabinet ID備考
水酸化ナトリウム4g765080
60% 硝酸10g1399680
蒸留水500ml145230

表2に使用した器具を示す

表2 使用器具 346
名前数量IDCabinet ID備考
200mlビーカー2つ325
500mlビーカー1つ325
トレイ1つ
薬さじ1つ325
保存容器2つ325
保護メガネ2つ

表3に使用した装置を示す

表3 使用装置
名前数量ID備考
上皿電子天秤1つ622

試薬の調整

実験を始める前

実験を始める前にyouzanに目的の試薬(1M 水酸化ナトリウム水溶液 ID14534,1M 硝酸水溶液 ID 14535)を登録し、ラベルを印刷した。保存する保存便に試薬ラベルを貼り付けた。 必要な実験器具および試薬をトレイの上に乗せた。

試薬の調整

 

200mlビーカーを蒸留水で洗浄し、洗浄した液は500mlビーカーに入れた。200mlビーカーに少量の水を入れて上皿電子天秤に乗せた。ビーカーに水酸化ナトリウムを3.9g入れた。 (伊藤先生は天秤の上にで粒の数を数えながら、40粒±3粒の水酸化ナトリウムを直接ビーカーに入れたが、水酸化ナトリウムが零れても大丈夫なようにトレイの上で水酸化ナトリウムを入れて、都度天秤で秤量する)。 薬さじを水酸化ナトリウムが入ったビーカーの上で洗浄した。溶解熱で水温が温まるので放置しておく。 ビーカーの標線を目安にして、100mlに希釈した。
 200mlのビーカーを蒸留水で洗浄し、洗浄した液は500mlビーカーに入れた。200mlビーカーに少量の水を入れて上皿電子天秤に乗せた。ビーカーに硝酸を10g入れた。 (安全に行う為、硝酸を入れる時はドラフトの中で行うこと) ビーカーで、蒸留水で100mlに希釈した。
ラベルが貼られた保存容器を調整した各溶液で共洗いした。共洗いした洗浄液は500mlビーカーに捨てた。500mlビーカーの上で水酸化ナトリウム水溶液と硝酸を保存容器に入れた。入れた保存溶液を出荷ヤードに置く

片付け

余った硝酸溶液は水酸化ナトリウム水溶液が入った200mlビーカーに入れてから500mlビーカーに捨てた。200mlビーカーを蒸留水で3回洗浄した。洗浄した液は500mlビーカーに捨てた。500mlビーカーは大量の水道水で希釈し、大量希釈が終わったら蒸留水で洗浄した。洗浄した実験器具及び使用試薬を元に戻した。


図1に行程を簡単にフローチャートで纏めた。

 図2 フローチャート

失敗談

写真を撮るの忘れてしまい、文章だけになってしまった。硝酸を取りすぎた。メスアップの意味を理解してなかった。(メスアップ・・・メスフラスコやメスシリンダーで希釈すること)

硝酸を10g取り出すところ、誤って17.3g取り出してしまった。

改善点

・蓋にラベルが貼られてないので、どの蓋が分からなくなる。
・天秤の近くに蒸留水が無かった。(現在検討中)

改善後

・QRコードだけだとラベルに貼ることができ、読み取ることもできた。

 図3 蓋に貼り付けたQRコード

参考文献

*1浜島書店書店部 編著, ニューステージ新訂化学図表, 2002年10月1日発行, p159
*2小野寺伸也, 炭素材料を活用した活物質表面電荷の静電遮断によるアルミニウム集電体被膜抵抗の低減理論, 平成27年, p32