78L05を使ったガルバノスタット/ポテンショスタットの設計

2018/07/06 更新
設計者 今井直人

1. 緒言

2017年秋、物質化学工学実験Wの開講とともに我々と回路の戦いは始まった。戦いの舞台は仁科研究室「畳の間」、 回路の設計者「伊藤智博」と、わけあって仁科,立花,伊藤研究室に流れ着いた10人の学生との戦いである。
「この記号は何!?」
「GNDってなんだぁ!!!」
学生らは知将伊藤智博が送り込んだ回路図との戦いにより疲弊しきっていた。疲労により正常な判断ができなくなった学生たちは次々に基準電圧源であるREF02CPZを壊し始める。
REF02CPZ とは5Vの電圧を安定して供給してくれる大変便利なICである。しかしこのICには一つの欠点があった。それは「とても壊れやすい」ということである。 疲弊した学生たちはREF02に逆向きの電源をつなぎ、次々に単価560円+税(2018/07/06 マルツオンライン)のREF02を葬っていった。

そこで、多少性能が劣るもののREF02より壊れにくいとされる三端子レギュレータ「78L05」を用いて、5Vを確保してやろうと考えた次第である。

2. 三端子レギュレータについて

図1 三端子レギュレータ

図2 SOLID WORKSを用いた三端子レギュレータの模式図
(2018/07/06 小森くん作)
STLファイルダウンロード
CADデータ(規制あり)ダウンロード←工事中

図3 TA78L005APの写真


表1 三端子レギュレータのピン配置
極性 種類 出力電流 ピン@ ピンA ピンB
78Lシリーズ 100mA OUT GND IN
78Mシリーズ 500mA IN GND OUT
78シリーズ 1A IN GND OUT
79Lシリーズ 100mA GND IN OUT
79Mシリーズ 500mA GND IN OUT
79シリーズ 1A GND IN OUT


ここで注意してほしいのが78Lシリーズについてである。なんと78Lシリーズのみ、出力と入力のピンがほかのシリーズと異なっている。 今回5Vを得るために使用する三端子レギュレータはTA78L005APである。 なので回路を組む際にはピン番号に気を付けなければならない。

TA78Lシリーズ_データシート(TOSHIBA) PDFファイル。

3. 設計した回路

図4 一定電圧を分割する回路

図5 ボルテージフォロワ

図6 カレンフォロアとガルバノスタットの実験

図7 カレンフォロアとガルバノスタットにインストルメンテーションアンプを取り付ける

図8 可変抵抗を取り付けたガルバノスタット

図9 インストルメンツアンプの出力をフィードバックしたガルバノスタット

図10 ポテンショスタット


4. 参考文献

1)わかる電子回路部品 完全図鑑.第4版,CQ出版社,1999,160p.,(ハードウェア・デザイン・シリーズ,5).
2)伊藤智博. "物質化学工学実験W". https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/53259/53259.asp, (参照 2018-07-06).

戻る