多くの層状化合物は、二次元平面の末端に水酸基等の変異電荷持つ。変異電荷は、pHや周囲の環境の変化により、負電荷を帯びたり、正電荷を帯びることができる。層構造末端の変異電荷は、層状化合物の集合構造に顕著な影響を与える。カチオン交換性粘土鉱物について考えてみると、もし、層構造末端正電荷を帯びるとすると、層表面の負電荷と相互作用を持ち引きつけ合う。層状化合物の集合構造は、粘度等マクロな物性に大きな影響を与える。一般的に、カードハウス構造を形成すると構造粘性(チクソトロピー性)が増加する。電解質濃度やpHを変化させることで端面の変異電荷を制御し、層状化合物溶液の粘度等のマクロな物性を制御することができる。
高せん断速度領域では、カードハウス構造が破壊されて粘度が低下する。低せん断速度領域では、カードハウス構造により高い粘度を示す。
高木克彦・高木慎介. 層状化合物. 共立出版, 2014, 120p., (化学の要点シリーズ, 11), ISBN 978-4-320-04416-6.
クニミネ工業株式会社. "クニミネ工業株式会社/製品情報/クニピア・スメクトン". クニミネ工業株式会社. https://www.kunimine.co.jp/products/kunipia_sumecton.html, (参照 2018-11-26)