2018/10/16 輪講

2018/10/16 更新
15512011 今井 直人

粘土鉱物の構造

図1のように、2枚の四面体シートが頂点を向かい合わせて1枚の八面体シートをはさんで組み合った複合層を2:1層(2:1 layer)と呼ぶ。 2:1層の積み重なりを基本とする構造を2:1型構造という(3層構造と呼ぶこともあるが、この呼び方は使用しないほうが良い)。
一般に層間には正の電荷をもつ陽イオンその他の層間物質をはさみ、2:1層は内部の陽イオン置換によって負の電荷をもっていて、正負正負の電荷の互層からなる3次元結晶をつくる。 この場合の2:1層の負電荷を層電荷(layer charge)と呼ぶ。層電荷の大きさは結晶全体を結びつける力、あるいは層間に働く力の強さを表すものであり、 鉱物の化学的物理的性質や層間物質の挙動と密接な関係がある。層電荷を生ずるのは、主として、陽イオン置換が電荷の異なる陽イオンによって行われるためである。 例えば、四面体中のSi4+をAl3+が置換し、あるいは八面体中のAl3+をMg2+, Fe2+などが置換すれば、 そこでは正の電荷が不足して負電荷が過剰となる。 これらの電荷のバランスの過不足は、結晶内の他の場所でこれを補償する置換やイオンの取り込みが起こることによって、あるいは結晶表面に反対符号のイオンが引きつけられることによってバランスを回復する。



図1 2:1層の構造


参考文献

白水晴雄. 粘土鉱物学ー粘土科学の基礎ー. 初版, 朝倉邦造, 1988, 185p, ISBN 4-254-16231-6.

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