コンピュータの外部記憶装置として使われるハードディスク装置の中心は、磁気ディスクであり、その構造は以下の図1のようで、いずれも数10Åの精度を必要とする薄膜からなっている。
これらの薄膜の心臓部は磁性膜であるが、100nm以下の薄膜で、しかも均一かつ無欠陥にめっきすることが絶対条件であるため、無電解めっき(electroless plating)を用いる。
無電解めっきは化学めっきとも呼ばれ、電気を流さないで、触媒の作用を借りた還元剤の還元作用によって金属イオンを金属として基板上に析出させる手法である。
無電解めっきの特徴は、@不規則な表面上に均一にめっきできる、A不導体へ直接めっきできる、B(詳細はまだ不明であるが)電気的にめっきできないものもめっきできることなどが挙げられる。
山下正通ら. 現代の電気化学. 初版, 新星社, 1990, 329p.