2021年4月6日時計皿セル(0406式)の作成方法
緒言
実験方法
使用したもの
以下の表1に本実験で用いた器具を示す。
名称 | ID | CabID | メーカー | 保管場所 |
---|---|---|---|---|
時計皿 (直径9 cm) | 83 | 3-3301 | ||
金切りばさみ | 346 | 3-3301 | ||
ミゼットカッター | 346 | 3-3301 | ||
ラジオペンチ | 346 | 3-3301 | ||
定規 | 86 | 3-3301 | ||
プラスチックトレイ | 3-3301 | |||
セロハンテープ | 86 | 3-3301 | ||
キッチンペーパー | 3-3301 | |||
以下の表2に本実験で用いた試薬類を示す。
名称 | ID | CabID | メーカー | 保管場所 |
---|---|---|---|---|
アルミニウムワイヤー (Φ= 2) | 13393 | 322 | 3-3301 | |
亜鉛ワイヤー (Φ= 2) | 13495 | 322 | 3-3301 | |
実験手順
まず、プラスチックトレイを用意して、そこにキッチンペーパーを敷く。 次に、定規をトレイにあてながら、金属線(今回はアルミニウムワイヤーと亜鉛ワイヤーを用いた。)を切断した。以下の図1に金属線を切断しているときの様子を示す。
アルミニウムワイヤーは金切りばさみを用いて切断した。亜鉛ワイヤーはアルミニウムよりも固いため、金切りばさみでの切断は難しいので、ミゼットカッターを使用した。 各種金属線は8 cmの長さになるように切り出した。以下の図2に実際に切り出した金属線の様子を示す。
続いて、時計皿セルの組み立て作業に移った。 今回作成するセルでは、電極となる金属線部分を3 cmに設定した。時計皿の曲面に合わせるために、金属線をラジオペンチを用いて折り曲げた。(今回は電極部分を3 cm確保したいので、大体3.5 cm程度の 部分をラジオペンチで固定して曲げた。)以下の図3にラジオペンチで金属線を折り曲げているときの様子を示す。
この図3ではラジオペンチを1本だけ使用して作業を行っているが、これだと金属線の安定が悪いのでラジオペンチを2本用意して、金属線の端と折り曲げたい部分をそれぞれ挟み込んで曲げるようにするとやり易い。
最後に折り曲げた金属線(今回はアルミニウムワイヤーと亜鉛ワイヤー)を時計皿 (直径9 cm)に固定していく。 まず、折り曲げた金属線と時計皿に隙間ができないように金属線を寝せる。 そして、機器に接続するためのリード部分として金属線が2.5 cm程度は時計皿からはみ出すように位置を調整する。 次に時計皿の側面部分と金属線をセロハンテープを用いて固定する。(この時、電極部分となるところにセロハンテープを張らないように注意する。) 2つの電極間の距離は、今回は2 cmになるようにした。 以上の工程をもって、時計皿セルは完成である。以下の図4に完成した時計皿セルの様子を示す。
今回はアルミニウムワイヤーと亜鉛ワイヤーで時計皿セルを組んだが、他の金属線でも同様にこのセルは組めると思うので、幅広い実験で応用できる と思う。また、その材質上セルの下から光を照射すれば、偏光板を用いての偏光観察も可能である。以下の図5に実際に時計皿セルを用いて、金属線を 電解液に浸して電位、電流測定をしながら偏光観察をしている様子を示す。
今後の課題
今回作成した時計皿セルで実験を行っているうちに、いくつかこのセルの改善すべき点が見つかったのでここに記す。 まずは、電極である金属線の固定が甘かった点がある。実際にミノムシクリップで挟み込んでいるうちにセロハンテープでの固定が緩くなり、 外れてしまいそうになってしまった。従って、今後は金属線の固定をもう少し強固にしていく必要があると感じた。 そして、時計皿の底が曲面であるために、セル自身の安定性もやや不安定になってしまった。このため測定がやりにくかったが、時計皿の底に 両面テープを張り付けて実験台に固定することで、事なきを得た。 また、今回は時計皿の底に電極の金属線の種類が何かを識別するために、名前を書いたテープを張り付けたが、これが偏光観察を行う際の光源の 妨げになってしまった。今後は識別用のテープやIDとQRコードのシールなどをセルに貼る際は、その場所に工夫が必要である。